毎日、健康に怪我なく舞台を務めるというのは意外にもとても大変なことです。
宝塚の生徒さんといえど、舞台を降りれば普通の女子となんら変わりはありません。
風邪をひくこともあれば、冬は予防に努めていてもインフルエンザにかかることもあるでしょう。
また激しいダンスシーンのあるショーでは、怪我をする可能性もあるわけです。
一般の会社員のように・・・
「熱があるからお休みします、有給にしてください」
という訳にいかない、ある意味代わりの人はいない・・・ぐらいの意識は持っていらっしゃることでしょう。
それでも万が一に備えて代役というシステムがあります。
宝塚の代役システム
公演の集合日には新人公演の配役が発表されます。
(公演によっては新人公演の配役発表時期は前後することもあり)
その時に新人公演とは別に、代役も発表されるのが通常です。
本来はこの代役に当たっている生徒さんは、自分の役をしっかりとするのはもちろんのことながら、代役もしっかりと勉強していくことが観客にとってはベストなのでしょう。
でもね・・・
やっぱり自分についた役を丁寧に作っていくだけでも非常に大変な上に、さらびもう一つの役を完璧に!と求めるのはちょっと過酷ですね。
だから「○○さんの代役がついている」ことはわかっていても、イザとなった時には大慌て。
急に「○○さんが休演です」と知らされた時には、もうどうしたらいいの???
と大慌てになるのではないかと想像しますが、それを感じさせずに舞台に立つことも舞台人の素養の一つなのだと思います。
最近の休演事情
2016年雪組大劇場公演『るろうに剣心』
この時は雪組さん内でインフルエンザが流行してしまったようでした。
役名 | 本役 | 代役 |
武田観柳 | 彩凪翔 | 真那春人 |
式尉 | 真那春人 | 鳳華はるな |
瓦版売り | 真那春人 | 真條まから |
関原妙 | 有沙瞳 | 羽織夕夏 (新人公演の役) |
エトワール | 有沙瞳 | 彩月つくし |
三番手格のスター・彩凪翔(あやなぎ しょう)さんが休演されたので、おそらくその代役がついていた真那春人(まな はると)さんが、彩凪翔さんの役を演じられたのでしょう。
そして真那春人さんの役、式尉と瓦版売りを鳳華はるな(ほうか はるな)さんと真條まから(しんじょう まから)さんが演じられたのですね。
一人抜けたから、そこへ他の人が入るという単純な方法ではないだけに、代役も大変です。
また関原妙役の有沙瞳(ありさ ひとみ)さんの代わりは、代役は新人公演で同役がついていた羽織夕夏(はおり ゆうか)さん。
本役さんの予想される休演期間や代役さんの出来上がり状況などから、新人公演で同じ役をする生徒さんがそのまま代役をされる場合もあるようです。
代役を起用する?しない?は誰が決めるの?
結論から言ってそれを誰が決めるか、正確なことは一ファンにはわかりません。
しかし生徒のコンディションや役の出来上がりを一番身近で毎日見ているのは、組長さんと副組長さんです。
そのお二人が演出家の先生などと相談の結果、「これでいこう!」とGOサインを出される可能性はあるのではないかと想像します。
ある公演で・・・
新人公演が終了してからのある日のことでした。
お芝居にのみ出演されている専科生さんが体調がよろしくなく、急遽11時公演を終了後、15時公演が始まるまでの間に病院を受診されることになりました。
その時組長さん自身がその代役だったのですが、新人公演でその役を演じた生徒さんの芝居が非常に良かったので
「とりあえず代役の心の準備をして、万が一の時にはあなたが演ってください。
あなたならできるはずです」
とおっしゃったとか。
実際には専科生さんも病院で検査の結果「大丈夫です」というお医者様の診断のもと、15時公演もご出演だったので、代役の必要がなかったのですが。
生の舞台っていろんなハラハラドキドキなことがあるものですね。
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