朝夏まなとと実咲凛音の宙組時代
2012年の宙組への異動。
組替えというのはポジティブに言えば「新しい仲間に出会える」チャンスであり、宝塚はどこの組にいても一緒ですが、やはり組ごとに「ダンスの花組」「日本物芝居の雪組」などと昔から言われているように、組の特徴があります。
雰囲気が微妙に違うのは、一般社会での転勤と同じですから、不安やとまどいがあったことでしょう。
そういう点では、学年の差はあってもお互いに頼もしい存在であったことが想像されます。
特にみりおんは組替えと同時に宙組のトップ娘役という重責ある立場となりました。
責任と心細さときっと気苦労があったかもしれない・・・とも想像されます。そんな中で主演コンビとして舞台を作った経験のある、まぁ様の存在は心の支えになったかもしれませんね。
トップ娘役としての実咲凛音の充実期
管理人・すみれ子はトップ娘役として実咲凛音さんが充実期に入ったのは、朝夏まなとさんが宙組トップスターに就任した、その宝塚大劇場・東京宝塚劇場公演『王家に捧ぐ歌』だと考えています。
凰稀かなめさんトップ時代のみりおんは、残念ながら作品的にいってヒロインにスポットがあたりにくく、十分にその力量を発揮できなかったと言わざるえません。
その点、朝夏まなとトップ時代となってからは、プレお披露目公演『Top Hat』を皮切りに、『王家に捧ぐ歌』『エリザベート』という、歌えて演じることができる娘役がいてこそ作品のクォリティーがあがる大作に出会い、また下級生時代から信頼をおく、まぁ様が相手役だから、のびのびと演じているように見えました。
退団発表記者会見で「退団を考えたのは、『王家に捧ぐ歌』を演れた時」とみりおんが語ったのは納得でした。
のびのび、心から演じることができて、演じることの楽しさを味わうことができたのでしょう。
実咲凛音にとっての朝夏まなと
実咲凛音さんは昨日、千秋楽の大階段を降りてからの最後のご挨拶の中でも
たくさんの人への感謝の気持ちを述べると共に
まぁ様の方を振り返って
「まぁ様、本当にありがとうございました」と涙を浮かべながら感謝を述べたました。
それを受けて大きくうなずくまぁ様。
このやり取りだけで、みりおんがどれだけ深くまぁ様に感謝しているかが十分に伝わり、みりおんを見つめるまぁ様の表情にも、みりおんへの同士としての愛情を感じました。
映画館のスクリーン越しですが
「うんうん、よかったね。まぁ様の相手役になって幸せだったよね」と、管理人も彼女の今の幸せが嬉しくてなりませんでした。
朝夏まなとにとっての実咲凛音
通常の宙組公演を観劇していても、まぁ様がみりおんに対して自分の相手役とか、トップ娘役ということ以上に、一人の表現者(役者)として同等に尊敬し、思いやりの気落ちを持っていることを感じていました。
まぁ様自身の退団発表記者会見でも、退団時期がずれた理由をきちんと説明したうえで「実咲の卒業を見届けるのが、私の仕事」と言った時に、ここまで相手役を気遣うトップスターがかっていただろうか? と驚きました。
昨日の千秋楽でも何回かのカーテンコールの後、緞帳が下り、「さよなら皆様」が流れても動こうとしない観客のために、緞帳前に現れたまぁ様は客席に「ありがとうございました」と客席に感謝を述べるち共に「私の同志を呼びます」とみりおんを緞帳前へ招き入れました。
「同士」・・・トップスターさんが、相手役に対してなかなか使えない言葉です。
昨日のまぁ様は、堂々とトップスターらしく、みりおんをドンと受け止めていましたが、本当に寂しく孤独なのはまぁ様なのかもしれません。
映画館のライブビューイングは、劇場のどんな前方席よりも、また自宅のTV画面でDVDやスカイステージの映像を観るよりも、大画面スクリーンは一種残酷なぐらい微妙な表情の変化まで映し出します。
芝居の中で、ショーの中で(特にデュエットダンス)で、まぁ様がみりおんを見つめる眼差しが温かく、ほんの少しの動きにも相手役に対する気遣いがあることが見えてきました。
「舞台には演じる人の人となりがでる」と言われますが、男役・朝夏まなとととしてでなく、人間・朝夏まなととは、こんなにも懐深く温かさのある人なのだろうか・・・
そんな事を今更ながら強く感じる千秋楽でした。
↓↓3. 最高のデュエットダンス / 実咲凜音・卒業の一日 / まとめ
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