『クラシカル ビュジュー』朝夏まなと退団作感想、作品としての視点から観ると?

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宙組トップスター・朝夏まなと(あさかまなと)さんの退団作『神々の土地』は、非常に佳作というファンの声も多く、管理人・すみれ子自身、登場する人物それぞれの信念ある生き方に共感すると共に、台詞の間にある空気感に酔いしれ、観劇後の余韻が長く残っています。

一方の『クラシカル ビジュー』は?

といえば、まぁ様(朝夏)はじめ宙組生の活躍は十分伝わってくるものの、暗転を多様した場面転換に気持ちの流れが遮られてしまい、ショーに浸りきれず、稲葉大地氏のショーにしては解せない物がありました。

それでも各場面毎に流石にすばらしい!と感じる点ももちろんあります。 この記事では、作品としての『クラシカル ビジュー』という視点で感想を綴ってまいります。

 

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羽山 紀代美が黒燕尾の男役達の秀逸さを魅せる

『クラシカル ビジュー』の中で最も優れていたと思うのは、最後(フィナーレ前)に繰り広げられる黒燕尾の男役達のアンサンブル。

プログラムを見ると「美宙」というタイトルが付けられていますが、まさに美しい宙の紳士、淑女達よ!と目を奪われ、深く印象に残っています。

音楽はホルストの『木星(ジュピター)』。

J-Popとして知られている『ジュピター』のサビの部分からではなく、きちんとイントロ部分から使用されています。

リズム(拍子)が途中で変わる難曲ですが、これにつけられた羽山紀代美先生の振り付けの美しいこと!

楽曲のアレンジも秀逸です。(音楽担当:太田健)

 

 

↓↓原曲の『惑星』はこれ!

ホルスト 組曲≪惑星≫ 作品32より 第4組曲 ジュピター(木星)快楽をもたらすものヘルベルト フォン カラヤン指揮ベルリン・フィル Holst The Planets op 32 Jupiter

 

まぁ様が一人で舞台奥に佇んでいるところから、始まります。

まぁ様のソロは美しいという言葉で簡単に表現できるような世界ではありませんが、まさに指先から足先までを使ってのダンスシーンは、これぞ朝夏まなと!というダンス。

途中、娘役さん達が登場してまぁ様に絡み、次に男役達が大階段から登場! 男役黒燕尾軍団のアンサンブルとなります。

いわゆる男役の動きの基本にも思える、シンプルな振り付け。

そして朝夏まなとさん以下、宙組男役達は何の飾りもないシンプルな黒燕尾服。

それなのにその佇まいはキリリとして美しいのです。

むしろ基本を美しく見せるということは、それだけ基本が本当に綺麗にできるからこそ見せられる訳で、誤魔化しのない美学を感じることができます。

また娘役さん達は白いフレアがたっぷり入った宝塚らしいドレスで、舞台上に白と黒で描かれる動きの美しさにも見とれてましたが、男役軍団もそれは同じ。

燕尾服の尾の揺れが揃い見事でした。

 

 

これが朝夏まなとが太陽として組子達を照らし続けた、集大成のアンサンブルと思えるものがありました。

終盤には、純矢ちとせ(じゅんやちとせ)さんのソロに乗って、お別れの挨拶的のように、組子達がまぁ様に絡むシーンがあります。

ヅカファン的に勝手に「お別れの挨拶」と思ってしまいましたが、本当はまぁ様が太陽で、絡む組子さん達はまぁ様からエネルギーをもらっているのだそうです。

きっと組子一人一人に「これからも宙組で輝け!」 そんなエネルギーを送っているのかしら?

まぁ様のお人柄からいえば、そんな想像ができます。

この場面は、冒頭のソロから朝夏まなとさんは約10分近く踊っていますが、疲れた様子も見せず、今感じている物を体現しているようで、この素晴らしい太陽が宙組から旅立っていく日は、管理人・すみれ子はいつもより寂しさを抱えることになるかもしれません。

数々の素晴らしいダンスシーンで魅せてくれた朝夏まなとさん。

この黒燕尾のシーンは管理人・すみれ子には思い出のワンシーンの一つになりそうです。

 

↓↓2. 『クラシカル ビジュー』の主題歌 / 『空の太陽』 /
作品としての『クラシカル ビジュー』

 

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