千秋楽の『神々の土地』『クラシカルビジュー』
千秋楽の『神々の土地』『クラシカルビジュー』、そして『朝夏まなとサヨナラショー』を実際に観劇できるのは、東京宝塚劇場のキャパである約2,000人のみ。
これを観劇するのはなかなか叶うことではありません。
昨今は、トップスターさんの退団公演以外でも必ず千秋楽は日本国内のみならず、香港、台湾といった海外の都市でも、映画館でのライブビューイングが定番化され、映画館でご覧になった方はたくさんいらっしゃることでしょう。
管理人・すみれ子も幸運にも映画館ではありますが、鑑賞することができました。
最後の神々の土地について語る宙組day🌞
上田先生の意向と全くズレてるのかも知れないし。まなみの勝手に受け取った印象。
ドミトリーは自分の信念に忠実に国を想って生きてる。他の人達も一緒。
ただラスプーチンの存在が理想と現実の苦しみを増して封印していた気持ちを蘇らせて足掻いてる印象 pic.twitter.com/UFnFxyKseF— mumm (@0116Bunny) 2017年11月19日
その模様はといえば、サヨナラ感満載で涙に溢れることもなく、朝夏まなとさんらしく爽やかで明るい空気とやりきった充実感に包まれた舞台の様子が伝わってくるものでした。
『神々の土地』は、宝塚大劇場の初日からどんどんと進化して、心に訴えかけるものがある佳作でしたが、千秋楽も「最後まで進化し続けたい」と言い続けていた朝夏まなとさんのラストの舞台にふさわしいものでした。
時々、ラスト近くに雪原でイリナ(伶美うらら)と別れるシーンで、まぁ様の頬にキラリと伝うものが見えた時もありましたが、今日は涙を見ることはありませんでしたが、愛しい人との別れに決意を持っているような気迫を感じました。
同時退団する、今作のヒロインである伶美うらら(れいみうらら)さんは、イリナそのものが涙しているかのように泣いているのがわかりました。
(出典:https://takaradukas.net//)
『クラシカルビジュー』は今の宙組そのもの。
明るく元気、そして暖かな空気に満ちたショーでした。
特にまぁ様(朝夏)が黒燕尾で一人舞台に佇みソロで踊るシーンは、まぁ様の宝塚人生そのものを丁寧に物語っているのが見え、「大浦みずきの再来」とも言われたまぁ様率いる男役黒燕尾シーンの、まさに心が一つにまとまったような見事さは、時を超え、組を超えて大浦みずきさんの魂が受け継がれているようにさえ思いました。
もうこの人を真ん中に黒燕尾を観ることはありません。
でも、朝夏まなとが残した魂は、これから宙組の中に引き継がれ、変化しながらも伝統として受け継がれていくのだろう。
そんな風に感じられました。
朝夏まなとサヨナラショー
この内容は宝塚大劇場で上演されたそのままです。
それでも本当にラストのラスト。 まぁ様を無事に見送りたいと思う、組子達の愛とパワーが感じられました。
楽曲リストは以下の通りです。
マケランシュ・紅の墓標 | プロローグ曲 | 楽曲のみ |
王家に捧ぐ歌 | エジプトは領地を広げている | 朝夏 |
VIVA!FESTA! | VIVA!FESTA! | 愛月、瀬音、彩花、涼華、伶美 |
VIVA!FESTA! | Yosakoi ソーラン節 | 宙組全員 |
TOP HAT | CHEEK TO CHEEK | 朝夏、瀬音、彩花、涼華 |
翼ある人びと | あなたの瞳に | 朝夏、伶美 (デュエットダンス) |
メランコリックジゴロ | 幸せの夢 | 朝夏、真風 |
王妃の館 | (ミニコント風給水タイム) | 朝夏、純矢 |
王妃の館 | セ・パリ!セ・ラ・ヴィ! | 朝夏 |
エリザベート | 最後のダンス | 朝夏 |
HOT EYE | Loving Blind | 朝夏 |
シェークスピア | Will in the World | 宙組全員 |
時間にすれば20分から30分でしょうか。
その間にまぁ様が今まで歩んできた道を紹介するようなショーの中で、演じてたあらゆる役を演じるように歌い踊る朝夏まなと。
少し高慢基地でいけ好かない『王妃の館』の北白川右京になったかと思えば、瞬時にそこには『エリザベート』のトート閣下が立っている。
役の切り替えに数秒もかからず、あらゆる人物が朝夏まなとから飛び出してくるように見えて、演技力、歌唱力、ダンスという技量を超えて、この人の偉大さを改めて感じたサヨナラショーでもありました。
朝夏まなとのご挨拶
朝夏まなとさんは、東京宝塚劇場の大階段も男役の象徴とも言えるシンプルな飾りのない黒燕尾服で降りてこられました。
これはちょっと驚き!
宝塚大劇場は黒燕尾でも、東京宝塚劇場では宝塚の生徒としての卒業という意味で宝塚の正装である、黒紋付に緑の袴を着用されるものだと思っていました。
例えば、元宙組トップ男役だった大空祐飛(おおぞらゆうひ)さんもそうでした。
それをあえて黒燕尾で通した朝夏まなとさんには、それだけ「男役」に対する彼女なりのこだわりがあったのでしょう。
「極めたいと思ったのが黒えんびでの踊りです。1分1秒でも長く黒えんびを着ていたいと思ったから」
(出典:日刊スポーツ2017年11月19日)
退団記者会見の中でその拘りについて語っていらっしゃいます。
朝夏まなとさんへのお花渡しは、元花組トップ娘役・桜乃 彩音(さくらの あやね)さんでした。
花組時代に苦楽を共にした同期のトップ娘役さん。
まぁ様も嬉しかったことでしょう。
ちなみにお花は白いバラでした。
最後まで笑顔を貫き通し、客席だけでなく、「ライブビューイングをご覧の皆さんにも」と投げキッスを舞台上から送られたまぁ様。
舞台上に突然「ゆりかーーー!」と真風涼帆(まかぜすずほ)さんを呼び「今まで支えてくれてありがとう」という気遣いもこの人らしかった・・・。
次いで「まどかーーー!」と呼ばれた、星風まどか(ほしかぜまどか)さんも恐縮して震えそうでしたが、「この二人がこれから宙組を引っ張って行きます」と紹介する朝夏まなとさん。
トップ就任時から退団の今日まで、これほど懐深い暖かさを組子だけでなく、ファンにも素直に見せたトップさんはそれほど多くはないでしょうね。
↓↓4. 朝夏まなとの最後の楽屋出・伶美うららの入りと出
コメント
ラストデ―の詳細をありがとうございました。
まあ様、黒燕尾でのご挨拶でしたが、劇場出は袴姿でお花は白い薔薇(大劇場では赤いバラでしたね。)。この選び方もこだわりなのですね。
「神々の・・」はとっても好きでした。
最後の観劇はライブビューだったので、劇場では見れないUPの表情に、やはり「切なくて」ただ「切なくて」、どの場面もどの歌も心に残りました。
まあ様、うらら様、これから劇場で見られないのはさみしいけれどこれが宝塚なのですね。
当分、余韻に浸って過ごします。
シルバー蝶さん
ラストデイから1週間以上が経ちましたが、未だまぁ様がご卒業された実感はわきません。
多分、次回大劇場でトップお披露目を観劇したら「あぁ、トップさんが変わった」としみじみ思う事でしょう。
あまりにも作品が素晴らしく、伶美うららさんが本物のヒロインで、「まぁうらら」と言えるような舞台だった事・・・
あれこれ考えて私も余韻に浸っていました。
あとはNHKの放映があるはずですから(大劇場公演中、奇しくもまぁ様の誕生日に録画がありました)、それを楽しみにしたいと思っています。