伶美 うららさん、星風まどかさんの問題点とは?
伶美うららの問題点
問題点という表現はふさわしくないかもしれませんが、
宝塚のトップ娘役は、トップスター(男役)とは違う資質を求められます。
トップスターがいてこその娘役というのが基本ですから、
娘役はやはりトップスターを立てて、トップスターがのびのびと演じ、歌える存在であるのが必須なのですね。
その点で
伶美うららさんは歌があれれ・・・
でした。
決して努力していないのでも、全く下手でどうしようもないのでもないと、私は思います。
ある一定の音域ではきちんと歌え、
『翼ある人々』のクララ・シューマンなど絶賛できる作品のヒロインも務めています。
『SANCTUARY』での王妃・マルゴでは大人な雰囲気でプライドを感じ、
『王家に捧ぐ歌』のアムネルアスでも思わずひれ伏したくなるような存在感も、
伶美うららさんにしか出せないものでした。
↓↓『SANCTUARY』の王妃・マルゴー、主演は愛月ひかる
(出典:おなじみ塚)
しかし・・・
クラシックの歌の世界は、その資質を生かして「ソプラノ」「メゾソプラノ」「アルト」と音域が適した歌を歌うのですが・・・
今の宝塚始め、ミュージカルの世界は、
役に対して書かれた曲をどんな音域でも歌えることが求められいます。
歌を聴きながらハラハラするでは、観客としても困りますものね。
実際・・・
先般の全国ツアー公演で『HOY EYES』では、伶美うららさんが歌う曲のキーが一部下げられていましたように思いました。
(2016年の大劇場公演時と比較して、音が下げられていました。不確かな私の耳の判断ですので、間違いであれば申し訳ないことですが)
それではちょっとね・・・
あくまで男役優位の宝塚ですから・・・と判断せざるえないところがあります。
それでも宙組にとって「大人な女性」を演じる上では欠かせない、独特の雰囲気も持っています。
作品によっては朝夏まなと&伶美うららのが作る世界に、非常に興味があります。
星風まどかさんの問題
おそらくは「星風まどかさんをトップ娘役に」と推す声もあったでしょう。
しかし星風まどかさんは、研3というだけでなく
実年齢(タカラジェンヌに年齢はない、とは言ってもね)が若すぎるのです。
若い = プレッシャーに耐えられない
という図式で考えるわけではありません。
今の宝塚は演目によって娘役に求められるのは、
若く、初々しいということだけでなく
大人な女性であったり、数十年前ではすみれコード的に「あれれ?」と思われるような女性だったりします。
それを演じるには「若すぎる」ことが問題点に思われました。
朝夏まなとというトップスターが演じる時、「若すぎる」トップ娘役では役に制限がかかってしまう・・・
また、一時期の若すぎるトップ娘役の抜擢が、
結果的に不成功(早期退団につながったりなどの)終わったことへの反省を踏まえて
星風まどかという逸材をゆっくりと丁寧に育てようという
劇団の意思の表れであるようにも考えられました。
トップ娘役人事から朝夏まなとの去就を推測すると・・・
朝夏まなとさんも、2017年2月でトップ就任から2年を迎えます。
大劇場と東京宝塚劇場での出演が『王妃の館/VIVA!FESTA!』で4作目。
まぁ様も年齢的にはまだ若いですが、
そろそろ去就について考える段階に入っていることが想像できます。
あと1作なのか? あと2作なのか? もっと長いのか?
それはご本人と劇団ぐらいにしかわからないことです。
宙組には、二番手として星組から組み替えしてきた真風涼帆(まかぜすずほ)さんが控えています。
真風さんは宙組に組み替えして来た時から、
のびのびと宙組の空気に馴染んで、しかも二番手では惜しいぐらいの存在感を出しています。
今、星風まどかさんを無理矢理トップ娘役に抜擢しない理由の一つに、
近い将来(1年後なのか、いつなのか???)、真風涼帆&星風まどかのトップコンビ誕生という人事があるのでは?
という憶測もできます。
固定トップ娘役を置かないのは・・・
月組の元トップスター・瀬奈じゅん(せなじゅんさん)の時代にもありました。
2008年『ME AND MY GIRL』で相手役の彩乃 かなみ(あやの かなみ)さんが退団以降、自身の退団までの1年半あまり(大劇場、東京3作品)の間、トップ娘役を固定しない体制でした。
また雪組・元トップスターの音月桂(おとづきけい)さんのトップお披露目公演『ロミオとジュリエット』では、トップ娘役を決めずジュリエット役をWキャストにしたことがありました。
娘役2人を競わせている感を感じたのですが、その後、舞羽美海(まいはね みみ)さんが音月さんの相手役として雪組トップ娘役に就任しています。
何事もメリットとデメリットありですが・・・
宙組トップスター・朝夏まなとさんは、トップ就任以降を見ている限り
心広く、おおらかなイメージが見て取れる人です。
作品毎に相手役が違ったとしても、組として作品を極めることに努めていく人と思われるので、
宙組がどんな作品を見せてくれるか?
に期待していきたいと思います。
【追加記事】2016/12/27 宙組トップ娘役不在、実咲凜音後任後継なしのメリット |
最後までお読みいただきありがとうございました。
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