『ポーの一族』宝塚版の作品としての秀逸さ
小池先生が長年の夢を温めて実現した、『ポーの一族』の宝塚での舞台化。
確かに『ポーの一族』は作品の内容は宝塚に似合うものですよね。
主人公・エドガーが、歳をとらずに永遠に時間を超越して生き続けるファンタジー性。
それが魅力な作品だから・・・。
でも同時に、それが宝塚での『ポーの一族』上演のネックでもあったことでしょう。
永遠に歳をとらない。
不老不死。
原作の設定をそのまま用いるならば、主人公は「永遠に14歳の少年」です。
この「永遠の14歳の少年」を舞台に立った時に、違和感なく演じられるエドガーにふさわしいビジュアルと実力の持ち主がいなければ、『ポーの一族』という作品が成り立たないからです。
宝塚は20代、30代の女性のみで上演される舞台です。
「14歳の少年」の設定は、誰もが演じることができる訳ではないでしょう。
また劇画に描かれた世界感を再現するには、主人公エドガーのビジュアル性を持つだけではことありません。
自分の意思とは関係なく「バンパネラ」として生きる道を背負ったゆえの葛藤を、細かに再再現できることも必要です。
つまり・・・
- エドガーのビジュアルに匹敵する男役
- 不老不死、永遠の美少年を演じても違和感がない
- エドガーの葛藤を繊細に表現できる
(出典:https://twitter.com/)
これらが『ポーの一族』を宝塚で上演するに当たって、絶対的にクリアできなければならなかったと思います。
それを考えた時、今、花組に明日海りお(あすみりお)さんというトップスターがいて、また男役として躍進中の柚香光(ゆずかれい)さんがいるからこそ、絶妙なタイミングでの上演が成功したと言えますね。
宝塚歌劇「ポーの一族」 原作者も原作ファンも裏切らない舞台化の秘密(デイリースポーツ) – Yahoo!ニュース https://t.co/DDPIFV664t @YahooNewsTopics
— 桜木星子 (@seiko_sakuragi) 2018年2月3日
『ポーの一族』の原作者・萩尾望都氏も、実際に舞台を観劇して以下のような感想を述べていることからも、明日海りおさんトップ時代の、今の花組だからこその『ポーの一族』宝塚版は、原作者サイドとして納得の出来上がり。
いえいえ、それ以上だったかもしれません。
「まだ頭も心臓もバクバクしています。本当に素晴らしかった。(出演者の)皆さんも本当に作品から抜け出てきたみたいで、こんなのを見ていいんだろうかというぐらい本当にドキドキしました。美しかったです。本当にありがとうございました」
(出典:https://headlines.yahoo.co.jp/)
↓↓明日海りおさん演じる、エドガー
(出典;https://twitter.com/)
↓↓ 3.『ポーの一族』宝塚版・綿密な構成
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