『雨に唄えば』ってどんな作品?
『雨に唄えば』の歴史
『雨に唄えば』といえば、アメリカを代表するミュージカル映画です。
公開は1952年4月。
主演はジーン・ケリーです。
ダンスの神様と讃えられているフレッド・アステアと二大巨頭として名が挙がる映画スター。
ジーン・ケリーは『雨に唄えば』の主演でもあり、監督でもあります。
雨に唄えば 103分 pic.twitter.com/JOEnFFJdnw
— ぱんく@映画垢🎥 (@Brad_Punk) 2018年5月9日
日本での公開はアメリカでの公開のすぐあとで、1953年です。
主題歌の『Singin’ in the Rain』は世界中誰でも聴いたことのある名曲であり、他にも劇中にはたくさんの名曲が披露されています。
↓貴重な当時の予告編です!古き良き時代の映画、そんな雰囲気ですよね。
ジーン・ケリーほか役者陣の見事な演技、映画界の裏側を描いた華やかな演出と、勧善懲悪系の爽快なエンディングで映画は大ヒット。
舞台化は1983年にロンドンで初、日本では1996年に東山紀之さん主演で初演されています。
『雨に唄えば』登場人物
映画の主要キャラクターは4人。
- ドン・ロックウッド(主役)
- キャシー・セルダン(ヒロイン)
- コズモ・ブラウン(ドンの親友)
- リナ・ラモント(映画界のスター女優、ドンの相手役)
ドンは誰もが憧れる、ダンディーでセクシーな大スターという役どころ。
60年以上経ったいま見ても魅力的な男性で、公開当時もアメリカ中の女性が夢中になったであろうことがうかがえます。
『雨に唄えば』で知られる名女優、デビー・レイノルズの訃報に胸を痛めています…。いまごろ、仲良しな娘さんと一緒に素敵な笑顔でいてくれますように。心よりご冥福をお祈りいたします。 pic.twitter.com/EbkjTmeWq8
— ワーナー ブラザース ジャパン (@warnerjp) 2016年12月29日
ヒロインとなるキャシーは駆け出しの女優という役どころで、楽しそうに歌ったり踊ったりする姿がとてもキュートです。
みんなが憧れる大スターと、駆け出しの初々しいヒロイン、気のいい親友、意地の悪い悪役。
宝塚的にもぴったりな配役ですよね。
『雨に唄えば』あらすじ
2017年に上演した星組の『ベルリン、わが愛』と同じ時代、サイレント映画からトーキー映画に移行する変遷期のお話です。
ドンとリナは映画界の大スターで誰もが憧れる美男美女カップルでしたが、実際のところはリナが勝手にドンに入れ込んでいるだけ。
いかにも「ワタシ、大女優よ!」という分かりやすいキャラ設定です(笑)
『ファントム』でいうところのカルロッタという感じですね。
#映画で脳裏に焼き付く悪役・脇役
『雨に唄えば』のリナさん(ジーン・ヘイゲン)。 pic.twitter.com/c2rVZU3dxC— 黄金の伏魔殿 (@aoinoabarenbou) 2016年11月2日
リナが勝手にドンに想いを寄せる一方、ドンは駆け出しの女優である純粋なキャシーと惹かれ合っていきます。
そんななか、サイレント映画では大スターであった女優のリナが実はとんだ悪声で、トーキーが主流となった時代では使い物にならないことに。
途中まで撮影してしまっていた映画をトーキーに変えることになりますが、リナの悪声では絶対に大コケに終わってしまいます。
そこでドンとキャシーとコズモは、映画をミュージカルに変えて「吹き替え」にすることを思いつきます。
↓解決策を思いついて、喜んで歌う3人。
美声の持ち主であったキャシーがリナの吹き替えをして、映画は大成功。
しかし、勝手に声を変えられていたことに怒ったリナはキャシーを自分専属の吹き替え役者にしてしまい、キャシーの女優としての成功を奪おうとします。
試写会で大喝采を浴びたリナは調子に乗って勝手にスピーチをしてしまい、映画と声が違うと指摘されてしまうことに。
観客から「生で歌ってみろ!」と言われ、緞帳裏にキャシーをスタンバイさせ、歌わせようとします。
キャシーは抵抗しますが、ドンにも歌うことを強要され、「もう金輪際ドンとは顔を合わせたくない」と別れを告げて緞帳裏で歌います。
しかし、そこには映画会社社長、ドン、コズモの思惑が。
リナが気持ちよく口パクしている途中に、緞帳を上げてしまいます。
背後の緞帳が上がっているとも知らないリナは楽しそうに口パクを続けますが、カラクリが分かった観客は大爆笑。
キャシーがついに日の目を浴び、リナに代わる大スターとなった瞬間でした。
この分かりやすい「一発逆転」「勧善懲悪」シーンが観客にはとても爽快ですよね。
日本にも「判官びいき」という言葉がありますので、日本人の心情にぴったりハマったのも頷けます。
映画の劇中にはたくさんの素晴らしい楽曲が登場します。
中でもやはり『Singin’ in the Rain』の場面は秀逸。
軽やかなステップがドンの心情を的確に表し、「煩わしい雨」を「恵みのシャワー」と受け取って気持ちよく歌い踊る。
傘や帽子などの小道具やセットも上手に使う演出が粋ですね。
↓ジーン・ケリーが名曲『Singin’ in the Rain』を歌う名シーン
↓↓2.『雨に唄えば』宝塚での過去キャスト表&見どころポイント
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