桜木みなと、宙組『パーシャルタイムトラベル』で活躍の若手の魅力

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桜木みなとが現在と中世を行き来する

開演5分前に場内が暗くなり、三拍子に乗って穏やかで美しいメロディーが場内に響きます。

舞台にはシンプルな装置のみ。

 

舞台上手から椅子を片手に登場した人物が「ジャーン」とギターを奏でると、芝居がスタート。

それが桜木みなとさん演じるジャンでした。

少し憎たらしくなるようなかっこいい幕開きです。

ズンちゃんが演じるジャンはシンガーソングライターを目指しつつも、不良グループとも繋がりがありしょっちゅう喧嘩をしている、モラトリアムな青年です。

それが骨董屋で不思議な金属の塊を手にいれたことから、現在と中世フランスを行き来する、つまりタイムトラベルする身となります。

そのタイムトラベルを繰り返す間に経験したことによって、大人になりきれていない青年が、目の前に緊急事態に向き合うことで、成長していく姿が描かれていると言って良いでしょう。

ズンちゃんはきっと素顔は可愛らしい、愛されキャラの性格なのかなぁ?と勝手な想像をしていますが、今まではその素の魅力が前面に出ることが多かったものの、『パーシャルタイムトラベル』では若さゆえに悩みも多い青年の色合いを醸し出しています。

バウ主演は二度目ですが、朝夏まなと(あさかまなと)さん退団後の宙組を大きく支える一人となることでしょう。

 




 

 




 

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星風まどかと遥羽らら

新人公演のヒロインを交互で務める、星風まどか(ほしかぜまどか)さんと遥羽らら(はるはらら)さん。

どちらも宝塚の娘役らしい雰囲気を持ち、歌も演技も力量のある娘役さんです。

今回は星風まどかさんがヒロインを演じていますが、ただただ可愛いまどかちゃん(星風)と思っていたところ、大人の落ち着きを見せ始め、感情を抑えた演技も光っていました。

遥羽ららさんは中世フランスではおキャンな公爵令嬢を演じています。

ぶっ飛んだ感が満載な所が実に面白く、巧みで客席の笑いを取っていました。

今までにない遥羽ららさんの魅力に繋がっています。

瑠風輝と朝央 れん

桜木みなとさんに次ぐ、このカンパニーの二番手的存在なのが瑠風 輝(るかぜ ひかる)さん。

それに続くのは希峰 かなた(きほうかなた)さん。

どちらも長身、小顔で宙組らしいスタイリッシュな男役さんです。

瑠風 輝さんは新人公演主演の経験もありますが、ここはコミカルな作品の難しさなのか、生真面目感が抜けきらない印象でした。

きっと公演ごとに進化して、千秋楽までに一皮むけることに期待しています。

希峰 かなたさんも同じく一生懸命感が好ましいとも言えますが、コメディーの難しさを味わっているのではないかと想像されます。

 

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寿つかさと美風舞良、花音 舞

さすがに大ベテランの寿つかささん、美風舞良さんは実に軽妙な演技にあっぱれとしか言いようがありません。

わずかなセリフの間の取り方は、舞台経験の豊富さゆえに身についたものなのでしょう。

花音 舞さんは宝塚大劇場、東京宝塚劇場公演『王妃の館』に続き、老婦人を演じていますが、歩き方、腰の曲がり具合、セリフ・・・全てが演技のレベルを超えてリアルです。

こういう方達が脇を締めているからこそ、桜木みなとさんはじめ若手生徒さんが活躍できるのだと感じました。

 

凛城きらと星月梨旺

凛城きら(りんじょうきら)さん。

さりげなくごく日常のシーン(正塚作品によくある)を、まさに自然体そのもののように演じている点で上級生さんらしい存在でした。

星月梨旺(ほしづきりお)さんも今年研10とあって上級生らしくなりましたね。

目立つ存在とは言えませんが、希峰 かなたさんと二人で芝居するシーンでそれを確信しました。

星月梨旺さんがいて希峰 かなたの芝居が引き締まっていることを垣間見ることができました。

時代の宙組を支える上級生だと思います。

 

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