※ この記事は2018年6月12日に執筆しました。 その後8月10日に加筆修正を加えているので、あらかじめご了承ください。 |
星組で『霧深きエルベのほとり』の上演が発表されました!
何度も再演を重ねてきた、菊田一夫氏作の宝塚の名作です。
そして・・・
潤色・演出が上田 久美子氏。
公演日程は・・・
■宝塚大劇場:2019年1月1日(火)~2月4日(月)
■東京宝塚劇場:2019年2月15日(金)~3月24日(日)
この記事では名作『霧深きエルベのほとり』の星組での再演についてまとめていきます。
『霧深きエルベのほとり』の初演っていつなの?
『霧深きエルベのほとり』と菊田一夫
『霧深き(きりふかき)エルベのほとり』は1963年に宝塚大劇場で初演されました。
何と今から半世紀以上前の作品です。
作・演出家の菊田一夫氏は、劇作家・作詞家として数々の素晴らしい舞台や映画の脚本を残した人物です。
その菊田一夫が宝塚のために書き下ろした作品の一つが『霧深きエルベのほとり』
菊田一夫演劇賞。
そんな名前の賞があること、宝塚ファンの方は耳にされたことはあるかもしれません。
最近では宝塚に限定すると
2008年 | 「スカーレット・ピンパーネル」スタッフ・出演者一同 高い舞台成果 |
2009年 | 小池修一郎「エリザベート-愛と死の輪舞-」「太王四神記 Ver.II」「カサブランカ」 |
2014年 | 宝塚歌劇団宝塚歌劇100周年の一連の舞台の成果 |
以上が、菊田一夫演劇賞を受賞しています。
この演劇賞は東宝が設けていますが、劇作家・菊田一夫の名前を掲げているのは、彼の功績を記念してのこと。
そんな高名な劇作家さんの作品です。
『霧深きエルベのほとり』のあらすじと主な役
『霧深きエルベのほとり』の主な登場人物とあらすじ
「エルベのほとり」からわかるように、ドイツにあるエルベ川添いの街が舞台となっています。
船乗りのカール。
自由になりたくて家出してきた令嬢マルギット。
そしてマルギットの婚約者フロリアン。
マルギットの妹で、フロリアンを慕っているシュザンヌ。
以上が主な登場人物です。
まぁ、三角関係(四角関係?)、身分違いの恋という、宝塚作品としてセオリーが成り立っている名作と言えるでしょう。
『霧深きエルベのほとり』の初演からの配役
カール | マルギット | フロリアン | シュザンヌ | |
1963年月組 | 内重のぼる | 淀かほる | ||
1967年月組 | 内重のぼる | 八汐路まり | 古城都 | 日夏悠理 |
1973年月組 | 古城都 | 初風諄 | 大滝子/榛名由梨 | 麗美花 |
1983年花組 | 順みつき | 若葉ひろみ |
(※ 空白部分は不明)
初演と初の再演で主役を演じた内重のぼる(うちのえのぼる)さんは、マル・サチ・オソノと呼ばれ当時宝塚では絶大な人気を誇った3人のスターの一人「サチ」。
「マル」こと那智わたる(なちわたる)さん、「オソノ」こと藤里美保(ふじさと みほ)さんとともに一時代を築いたといえますね。
↓↓内重のぼるさん
(出典:http://www.soundfinder.jp/)
上の内重のぼるさんのレコードジャケットです。
今は舞台楽曲をデータで販売したり、映像としてDVD、ブルーレイなどで販売している宝塚。
その当時はスターのレコードが販売されていました。
時代を感じてしまいますね。
『霧深きエルベのほとり』の演出家の変遷
初演は菊田一夫氏が脚本だけでなく演出もされていました。
1967年の再演では菊田氏に加えて、宝塚にショーの名作『ノバ・ボサ・ノバ』の生みの親である鴨川清作氏も演出に加わっています。
しかし菊田先生は1973年4月に他界。
1973年5月からの月組公演は菊田先生を追悼するサブタイトル「菊田一夫先生に捧げるミュージカル・ロマンス」が付いての上演。
演出は鴨川先生でした。
次の再演となった1983年花組公演は、これもまた今でも上演される名作を生んでいる、柴田侑宏氏による潤色・演出でした。
2019年版となる星組公演『霧深きエルベのほとり』も上田久美子氏の潤色・演出が発表されています。
いかに名作といえども、半世紀以上前の作品をそのまま今上演すると、時代背景も含めてただの古いだけの作品となってしまうでよう。
そういう点を今の観客の心に訴えかけることができるように、作り上げるのが潤色する作家さんの腕の見せ所。
心に染み入るような世界感を繰り広げてきた作・演出家の上田久美子先生ならば、そういう機体に応えてくれる作品作りをしてくださるような予感がしています。
↓↓2. 『霧深きエルベのほとり』って紅ゆずるの退団フラグ?ではなかった・・・?
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