宝塚ファン活動をしていた実在する小説家は某スターさんのFCスタッフ!そして歌劇の世界を描く青年コミックと少女コミックはファン入門書!

宝塚コラム

漫画『ライジング!』という作品をご存知でしょうか?

「なんて素敵にジャパネスク」を代表作とする氷室 冴子(ひむろ さえこ)さんが原作を書いた漫画です。

『ライジング!』は原作を氷室 冴子さん、藤田 和子 (ふじた かずこ)さんが作画を担当して週刊少女コミックにて、1981年第10号より連載が開始されました。

その舞台がびっくりなところでした。

『ライジング!』の背景は音楽学校と宮苑歌劇団

宝塚ファンならば気づかれたでしょう?

そう・・・

この設定はどう考えても宝塚音楽学校と宝塚歌劇団を想定して描かれたに違いない!と思いますよね。

先ず『ライジング!』に登場する音楽学校は・・・

  • 入学資格:中学卒業以上、15歳~18歳までの女子。
  • 二年制。1年目(初級生)はダンスや声楽などの基礎レッスン。2年目(上級生)では男役と娘役に分かれる。

そして宮苑歌劇団は・・・

  • 音楽学校卒業者から成り、他からの入団を認めない。総数約230名。
  • 組に分かれておらず、公演ごとにメンバーが組まれる。
  • 大劇場で年8回、小劇場で6回の公演を打つ。

劇団内のことは、実際の宝塚とは「組に分かれていない」「公演ごとにメンバーが組まれる」と異なっていますが、この作品が書かれた当時は宝塚も一ヶ月半公演で年に8回の公演だったし(花、月、雪、星組の4つの組の時代)、よく似ていますね。

 

ストーリー展開

主人公の仁科祐紀が音楽学校に入学から「宮苑歌劇団」のスターへと成長していくステージとらま。

アメリカ育ちでダンスが好きな祐紀は、芸能専門学校と勘違いして日本の宮苑音楽学校を受験。ところがそこは、声楽や演技力も要求される歌劇学校だった。

挫折を味わいながらも成長し、男役として薫とトップを争うほどになるが、高師の真の狙いは娘役でのトップスターにすることであった。

男役では常に薫の背中を見ることになると言われて娘役に転向した祐紀は、高師の演出するデビュー作で成功を収める。しかしその後の歌劇団での本公演で自分の実力が本物でないことに気づき、高師に利用されたと思い込み宮苑を飛び出してしまう。

外部のオーディションを受けてみて自分が宮苑でいかに恵まれていたかを痛感する祐紀は、倉田悟郎の作品に出演後、一度宮苑に戻り、新たなスタートを切る決意をする。

(出典:https://ja.wikipedia.org)

私は雑誌に掲載当時は知らなくて、友人に教えてもらって単行本で読みました。

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(出典:Amazon)

原作者の氷室 冴子さん

氷室 冴子(ひむろ さえこ)さんと言えば、ある年代の方はご存知かもしれませんね。1980年代から1990年代に一世風靡した少女小説家、集英社のコバルト文庫を代表する看板作家でした。

その氷室冴子さん・・・

北海道在住でしたが、一時期住まいを宝塚に移していたそうです。

なぜかといえば・・・

ある男役さんのファンで、ファン活動をされていたそうです。

その当時すでに小説家としての活動をされてはいましたが、それを伏せて若手のスターさんのファンクラブ活動をしながら原稿を執筆していたそうです。

その間にファンクラブ内では、今でいうところのスタッフさん的な存在になっていたので、まさに自分がファンであることで、取材できてしまったことを後に漫画の原作に生かしたとも言えるのが『ライジング!』です。

あくまで氷室冴子さんの場合は「取材するためにファン活動をした」のではなく、「ファンになったことを原作に活かした」と思っていますので、その点誤解のないようにお願いします。

そのファン活動のことも含めて綴ったエッセイがあるそうなので、それも合わせて探してみたのですが、残念ながら見つからないままです。コミックはAmazonなどで入手可能です!

氷室冴子さんは2008年6月6日(満51歳没)で他界されています。もっと早くに氷室作品に出会えていたら・・・と『ライジング!』に出会った時にとても残念に思いました。

その他の宝塚コミックと漫画

すみれの花咲くガールズ

青年誌『ビックコミックスぺリオール』で連載されていた作品です。

主人公は下町の女子高校生、宇佐美真由。ある出会いからタカラジェンヌを目指します!

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【コミック】スミレ花咲くガールズ

作者の朱良 観(あけら かん)さんはちゃんと観劇もされいて、自身のブログに観劇レポを書かれたりすることもあります。宝塚への愛があるから生まれた漫画、しかも青年誌! ここでファンの裾野は広がっているといいなと思います。

ライトな宝塚ファンでも楽しめます!

朱良観(あけらかん)のブログのブログもご覧ください。

 

かげきしょうじょ!!

「かげきしょうじょ!!」は、女性だけが所属する歌劇団のスターを育てる音楽学校を舞台とした物語・・・といえば、やっぱりヅカファンが連想するのは宝塚歌劇団!

作者は斉木 久美子(さいき くみこ)さん。

このコミックに登場するのは「紅華歌劇団」。

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【コミック】かげきしょうじょ!(花とゆめコミックススペシャル)

主人公、長身の少女・渡辺さらさ(178cm)は「ベルばら」のオスカル様を目指し、紅華歌劇団付属音楽学校に最下位の40番で入学します。

178cmだと実際の劇団でもかなりビッグで注目されるでしょうね(^^)

単行本コミック1巻の帯には池田理代子さんがコメントを寄稿されています。

尚、白泉社の雑誌「メロディー」に現在も連載中。

「かげきしょうじょ!」は「ヤングジャンプコミックス改)に連載されていましたが、雑誌の休刊に伴い白泉社の「メロディー」に連載の場を変えました。

従って単行本コミックのを読むのは↓↓の(ヤングジャンプコミックス改)から出ている全2巻からがおすすめです。作者の斉木久美子さんは(花とゆめ)からでもわかるように書いているそうですが(^^;)

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【コミック】かげきしょうじょ!(ヤングジャンプコミックス改)

 

ZUCCA x ZUCA

宝塚ファンならご存知の方も多いかな?

はるな 檸檬 (はるな れもん)さん作、ヅカオタ漫画とも言われています。


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【コミック】ZUCCA×ZUCA

私は書店で見かけても手に取ったことがなかったのですが、ある時、美容院の本棚で見つけて読みました(笑)

「この本がなぜここに?」と美容院で聞いたら、「お客さんが間違って2冊買ってしまったので置いて行かれました」とこのと。

しかもそのお客さんは「ZUCCA X ZUCA」を読んで「こんな面白い世界は行かなくちゃ!」と初めて宝塚を観劇。以降、ディープにはまっていらっしゃるそうです。

宝塚との出会いって本当にわからないものだ!と思いながら、1冊読んでみたら面白いのなんのって、ヅカファンが「???」と思うことも、とてもリアルに面白く、またわかりやすく書いてあって、笑い転げながら読みました!

宝塚に関心を持ったばかりの初心者にも、ディープなファンにもおすすめの本です!

 

↓↓ 電子書籍版もあるので、とりあえず読んでみてはいかがでしょう?

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【コミック】ZUCCA×ZUCA (電子書籍 )


芸能人にもファンが多い宝塚歌劇ですから、小説家や漫画家にもファンがいたっておかしくないですね。

ファンだからこそ正確な取材だし、それを小説家、漫画家の客観的な視点で描いているので、どれも興味深いものばかりです。

秋の夜長にヅカコミックはいかがでしょう?

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

 

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