宙組の『神々の土地』新人公演を観劇しました。
主演の瑠風輝(るかぜひかる)さんは、この公演で『Shakespeare~空に満つるは、尽きせぬ言の葉~』『エリザベート』に続き3度目の主演。
朝夏まなと(あさかまなと)さんトップ時代の宙組で、まぁ様(朝夏)主演の5作品中、3作で主演しているので、まぁ様チルドレン的な存在と言えるかもしれません。
一方のトップ娘役不在作品ながら、ヒロイン的存在と言える大公妃イリナ演じたのは、夢白あや(ゆめしろ あや)さんは研1さん。
今年4月に雪組公演『幕末太陽傳』『Dramatic “S”!』で初舞台を踏み、宙組に配属になったばかりの娘役さんです。
今日はこの二人の他、主要な役を演じた鷹翔 千空(たかとちあき)さん、天瀬はつひ(あませはつひ)さん、留依 蒔世(るいまきせ)さん。
ヒロイン常連でありながら、次期トップ娘役が決まり、脇へ回った星風 まどか(ほしかぜまどか)さんなどに注目しながら、この記事では『神々の土地』新人公演の様子と感想をお届けします。
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『神々の土地』新人公演全般について振り返る
『神々の土地』は、上田久美子先生の独特の世界観のある作品で、台詞と台詞の間にある空気感が秀逸です。
本公演でも朝夏まなとさん、真風涼帆(まかぜすずほ)さん、伶美うらら(れいみうらら)さんはじめ、宙組生の皆さんが、模索しながらよりクオリティーの高い世界を目指していらっしゃる様子が見て取れます。
(実は初日から数回リピートで観劇しましたので、その進化をしっかり肌で感じています)
またドミトリー(朝夏)とイリナ(伶美)の大人の恋をはじめ、生活苦を迫られているロシアの民、世の中の動きを理解できない皇帝一家など、リアルには理解しづらい点も細かく描かれています。
そういう心の動きを表現するには、新人公演学年では難しい面も多々あったことでしょう。
まず今回の新人公演を通して感じたことは、台詞が言えて芝居として成立はしているものの、上田久美子先生の世界観を表現するまでには至っていませんでした。
いえいえ、作品の難易度が高いからであって、決して下手だとか、稽古不足だとかそういう意味ではありません。
佇まいや空気感だけで「何か」を伝えることがいかに難しいかということです。
宝塚歌劇宙組ホープ・瑠風輝3度目のセンターも反省…「すべてが難しかった」(スポーツ報知) – Yahoo!ニュース on @YahooNewsTopics https://t.co/4sCegqLmjK pic.twitter.com/31WUEiOg2z
— 桜木星子 (@seiko_sakuragi) 2017年9月5日
新人公演の終了後に行われる主演コンビの取材は、通常は主演とヒロインの2人で、今回は瑠風輝さん、鷹翔 千空さん(二番手角の役だからでしょうか)でした。
トップスターさんに特定の相手役がない状況はこういう所にも影響するのですね。
幕が降りて、ご挨拶のカーテンコールに並ぶのも上述の二人を真ん中にして、おそらく後は学年順だったと記憶しています。
瑠風 輝のドミトリー
長身で手足が長く、小顔な瑠風 輝さん。
本当に舞台姿が美しいです。
歌唱力の評価も高い若手さんです。
「朝夏さんは表現力が豊かで、相手に応じて表情がくるくる変わる。最後の男役の姿を間近で見ながら、何か一つでも吸収したい」
(出典:毎日新聞2017年9月4日)
トップスターさんが退団する公演の新人公演で主演するということは、下級生に通常よりプレッシャーを感じたり、「この人から多くを学びたい」と思ったり、思い入れも強くなる傾向があります。
きっと随分「自分の引き出し」を大きくしようと努力された跡が見られました。
(「自分の引き出しを増やす」というお話は、最後のご挨拶の中で瑠風輝さんご自身が言っていたことです)
しかし、本公演でも感じた「滑舌の悪さ」が新公でも露呈してしまった気がします。
滑舌が悪いというよりも、子音をマイクが拾ってしまうのが耳障り? それが滑舌が悪く聞こえる原因かなぁ・・・とも思いました。
歌唱力はあり、男役としての歩き方も美しく、ラスト近くで銀橋を上手から下手へ歌いながら歩くシーンでは(トレンチコートでね)、ドミトリーの失意や葛藤を感じさせ堂々たるものがありました。
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