花組全国ツアー・仮面のロマネスク、EXCITER!!2017、観劇感想レポ@梅田芸術劇場

花組

花組全国ツアー公演を最初の公演開催地である梅田芸術劇場で観劇しました。

作品はどちらも再演物で『仮面のロマネスク』と『EXCITER!!2017』。

仮面のロマネスク』は同じく花組全国ツアーとして

昨年9月に上演されていますが、今回は配役も新たにどんな作品となっているのか興味のあるところでした。

 

仮面のロマネスク、作品としての見どころ

仮面のロマネスク』はラクロの小説『危険な関係』を元に宝塚歌劇団の作・演出家、柴田侑宏氏が手がけた作品です。

初演は1997年。

以降の再演は全国ツアー、中日劇場公演などの外箱のみです。

↓↓『仮面のロマネスク』主な配役の変遷

1997年雪組
(宝塚、東京)
2012年宙組
(中日劇場)
2016年花組
(全ツ)
2017年花組
(全ツ)
ヴァルモン子爵 高嶺ふぶき 大空祐飛  明日海りお
メルトゥイユ侯爵夫人 花總まり 野々すみ花 花乃まりあ 仙名彩世
ダンスニー男爵 轟悠 北翔海莉 芹香斗亜 柚香光
トゥールベル夫人 星奈優里 藤咲えり 仙名彩世 桜咲彩花
セシル 貴咲美里 すみれ乃麗 音くり寿 城妃美伶

1997年の初演は、当時の雪組トップスター高嶺ふぶき(たかねふぶき)さんのサヨナラ公演としての上演でした。
そのため高嶺ふぶきさんへのあて書き的な要素がある作品と想像できます。

 

↓↓ 初演『仮面のロマネスク』の動画

 




 

仮面ロマネスク』の原作『危険な関係』は近代フランス心理小説の傑作とも言われていますが、内容がスキャンダラスでもあり、宝塚ではラストはオリジナルに変更されています。

柴田作品の素晴らしさは綿密な造りで登場人物を掘り下げて描き、かつ大人な作品ながら宝塚の良さを決して失わない点で、いつの時代も受けいられられることは、『仮面のロマネスク』からもよくわかりました。

管理人・すみれ子が初めて『仮面のロマネスク』を観劇したのは・・・

2012年宙組・中日劇場公演でした。

その時主役・ヴァルモン子爵を演じた大空祐飛(おおぞらゆうひ)さんに(退団時期を伸ばしても演じて欲しいと中日劇場が宝塚歌劇団に要請したと嘘か誠かわからないまでも、そんな噂が囁かれるほど大空ヴァルモンはハマり役だったことが印象に残っています。

 

↓↓大空祐飛さん

(出典:http://blog.goo.ne.jp/

大空祐飛さんは
2
011年10 – 12月、『クラシコ・イタリアーノ-最高の男の仕立て方-/NICE GUY!!-その男、Yによる法則-』で退団予定だったところ、2012年2月の中日公演『仮面のロマネスク』出演要請のため、2012年4月 – 7月『華やかなりし日々/クライマックス』で退団することになったと噂されていました。

 




 

初演の高嶺ふぶきさん&花總まり(はなふさまり)さん版を観た人は、それが一番良かったといい、管理人のように宙組版で初めて観たファンは大空さんほどヴァルモンに似合う人はいないと思う・・・

それが再演物の難しさですが、明日海りおさんと新トップ娘役の仙名彩世(せんなあやせ)さんが作り出す『仮面のロマネスク』の世界も興味のあるところでした。

 

宙組『仮面のロマネスク』公演時のプログラムに柴田先生が寄せられた文面の中に・・・

高度な科学技術と経済構造に現代の私達は取り巻かれていて、恋愛が不純に歪められ、時には軽視されている中で・・・(中略)この作品を通して軽視されつつある恋や愛の本質を追憶でなく実感として感じてもらいたかった

という一文がありましたが、まさにそういう世界は今回の花組版にも健在でした。

 

作品の時代背景は1830年フランス。

ナポレオン時代後で、フランス7月革命直前です。

優雅な貴族社会は健在で、互いに惹かれあいながらも、心に仮面をつけてヴァルモン子爵(明日海とメルトゥイユ侯爵夫人仙名)は恋のかけひきゲームを楽しむかのように、周囲のダンスニー男爵柚香光)、トゥールベル夫人桜咲彩花)、セシル城妃美伶)達をそのゲームに巻き込み、やがて破滅へと向かっていく・・・。

ラストシーンでお互いの本当の気持ちを素直に打ち明けながらも

ヴァルモンは軍人として王家の為に戦いにいく貴族としての美学を貫こうとし、またメルトゥイユ侯爵夫人もその誇りを捨てることはありませんでした。

貴族としての美学を貫く二人が迎えるラストの美しさも胸に迫るものがあり、明日海&仙名コンビでまた観劇できたことは非常に嬉しいものでした。

 

↓↓2. 仮面のロマネスクの明日海りお / 仙名彩世のメルトゥイユ侯爵夫人 / 柚香光のダンスニー男爵 / その他の出演者

 

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