宝塚歌劇団による海外公演って?その歴史を振り返る

宝塚コラム

2018年10月~11月、『Thunderbolt Fantasy(サンダーボルト ファンタジー)東離劍遊紀(とうりけんゆうき)』『Killer Rouge(キラー ルージュ)(星秀☆煌紅)』が台湾で公演されます。

紅ゆずる(くれないゆずる)さん率いる星組の選抜メンバーが台湾を訪問。

宝塚歌劇団としての海外公演はこれで27回目になります。

 

宝塚ファンになってまだ日が浅い人は、「宝塚って海外でも公演することがあるんだ~」なんて思われたのではないでしょうか。

 

そこで、こちらの記事では宝塚歌劇団の海外公演について徹底的に調べてみました。

きっと「知らなかった~!」な事実も出てくるはずですよ。

宝塚歌劇団の海外公演の歴史一覧表

1938年 第1回ヨーロッパ公演(ドイツ、イタリア、ポーランド)天津乙女さんなど30名が“宝塚少女歌劇団”として
1939年 アメリカ公演(ホノルル、サンフランシスコ、ロサンゼルス、ニューヨークなど9都市)春日野八千代さんら40名
1942年~1944年 中国・満州を巡業 *日本兵への慰問公演
1955年 第1回ハワイ公演 天津乙女さんら20名
1956年 第2回ハワイ公演 綴克美さんら20名
1957年 第3回ハワイ公演 天津乙女さんら20名
1959年 カナダ・アメリカ公演 天津乙女さん・寿美花代さんら42名
1965年 第2回ヨーロッパ公演(パリ)真帆しぶきさん・甲にしきさんら52名 *初めて洋物のショーを上演
1966年 第4回ハワイ公演 春日野八千代さんら20名
1973年 第1回東南アジア公演(ビルマ、マレーシア、シンガポール) 初風諄さん・榛名由梨さんら28名
1975年 第3回ヨーロッパ公演(フランス、リトアニア、ウクライナ、ロシア)松本悠里さん・初風諄さんら46名(鳳蘭さんはパリのみ参加
1978年 中南米公演(メキシコ、アルゼンチン、ブラジル)松本悠里さん・大地真央さんら35名
1982年 第2回東南アジア公演(ビルマ、マレーシア、シンガポール、タイ)平みちさん・大浦みずきさんら35名
1985年 第5回ハワイ公演 松本悠里さん・高汐巴さん・大浦みずきさんら40名
1989年 第1回ニューヨーク公演 松本悠里さん・大浦みずきさん・紫苑ゆうさん・安寿ミラさん・天海祐希さんら61名
1992年 第2回ニューヨーク公演 大浦みずきさん(OG)・絵麻緒ゆうさん・匠ひびきさん・湖月わたるさんら21名
1994年 ロンドン公演 松本悠里さん・安寿ミラさん・真琴つばささん・香寿たつきさん・紫吹淳さんら46名 *初めてお芝居を上演
1998年 香港公演 松本悠里さん・姿月あさとさん・花總まりさん・和央ようかさん・湖月わたるさん・朝海ひかるさんら45名 *このメンバーが宙組メンバーに
1999年 第1回中国公演 真琴つばささん・紫吹淳さん・檀れいさん・大空祐飛さん・大和悠河さんら40名(月組)
2000年 ドイツ・ベルリン公演 松本悠里さん・紫吹淳さん・貴城けいさん・水夏希さんら51名
2002年 第2回中国ツアー公演『蝶・恋』『サザンクロス・レビュー・イン・チャイナ』 香寿たつきさん・渚あきさん・彩輝直さん・檀れいさん・安蘭けいさんら40名(星組)*日中国交正常化30周年記念
2005年 『ベルサイユのばら』『ソウル・オブ・シバ!!』湖月わたるさん・安蘭けいさん・白羽ゆりさん・柚希礼音さんら37名(星組)*日韓国交正常化40周年記念
2013年 第1回台湾公演『宝塚ジャポニズム ~序破急~』『怪盗楚留香(そりゅうこう)外伝-花盗人(はなぬすびと)-』松本悠里さん・柚希礼音さん・夢咲ねねさん・礼 真琴さんら40名(星組)
2015年 第2回台湾公演『ベルサイユのばら—フェルゼンとマリー・アントワネット編—』『宝塚幻想曲』明日海りおさん・芹香斗亜さん・花乃まりあさんら40名(花組)
2018年 第3回台湾公演『Thunderbolt Fantasy』『Killer Rouge』紅ゆずるさん・七海ひろきさん・礼真琴さん・綺咲愛里さんら40名(星組)

 

 

 

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洗い出せたのはこれらの公演でしたが、劇団公式だと2018年の台湾公演で27回目の海外公演ということです。

 

基本的に海外公演というのは、訪問国との政治的関係が強く影響しているように見えます。

ミレニアム前後は中国・韓国へも「国交正常化記念」として訪れていましたが、近年は親日国である台湾がメイン。

もちろん中国や韓国にも親日家はいらっしゃるでしょうし、宝塚ファンもたくさんいるのでしょう。

しかし生徒の安全面などを考えると少しでも緊張関係にある国へは行かれないのでしょうね。

 

1942年からの慰問公演は、満州で戦う日本兵に清い歌声を届けて元気になってもらいたいという目的で毎年訪問していました。

いつ爆撃があるかもわからない戦地に赴いてでも兵士を元気づけたい!という劇団の想いは本当に素晴らしいです。

テレビドラマ『越路吹雪物語』でもこのあたりが描かれていましたね。

 

 

2018年7月に関西・中国地方を襲った豪雨被害によってほとんどの交通網がストップした日も、宝塚大劇場はガラガラの客席のなか幕を開けました。

「自粛ムード」を主張する人もいましたが、そういうときだからこそ、という劇団の姿勢には強く共感します。

いつの時代も、国内にネガティブな空気が流れている中でも宝塚は人々に晴れやかな気持ちを届けるために幕を開け続けてきました。

その姿勢が100年以上変わらないことは本当に素晴らしいことです。

 

1965年には初めて洋モノショーを上演。

それまでは「日本文化」を前面に押し出した日舞を基本にした和モノショーのみを上演していました。

そして1994年に初めてお芝居を上演。

舞台の脇に設置された電光掲示板に字幕を表示する手法が採り入れられます。

2005年以降はその手法で、宝塚本公演と同じように『お芝居+ショー』という公演内容になります。

 

やはり、宝塚と言えば『ベルサイユのばら』。

美しさにおいては右に出る者なし、の明日海りお(あすみりお)さんがフェルゼンを演じたことは台湾の宝塚ファンの獲得に大きく貢献したことでしょう。

 

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近年は5組のうちのどこかの組が海外公演に選ばれますが、ミレニアム以前は「選抜メンバー」。

4組と専科の中から相応しい生徒が選出されていました。

それぞれの組から抜けて海外公演に「出張」したり、それまで見たことのない新鮮なトップコンビとメンバーの組み合わせは、なんだかスペシャル感があって興味深いものがありましたね。

2000年のドイツ・ベルリン公演は5組からの選抜メンバーで公演し、宙組がいまも誇る名場面『明日へのエナジー』の場面も盛り込まれました。

宙組以外の、しかも5組選抜メンバーでの『明日エナ』はとても興味深かったです!

 

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このドイツ・ベルリン公演は紫吹 淳(しぶきじゅん)さんはじめ、ダンサー中心にメンバーが集められた感じがします。

 

近年では、海外公演に出演している回数はなぜか星組がダントツ。

月組が1回、花組が1回公演していますが、星組は2018年でなんと4回目。

なぜなんでしょうね…?

 

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↓2013年の『怪盗楚留香(そりゅうこう)外伝-花盗人(はなぬすびと)-』。

 

↓2.海外公演メンバーが新設組メンバーへ!

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