トップ娘役とヒロインの歴然たる差
伶美うららさんと仙名彩世さんの経歴を比較してみると・・・r
かたや下級生時代から路線娘役としての経験を積みながらも、夢叶わず宝塚を卒業するゆうりさん(伶美)。
一方、実力がありながらも不遇の下級生時代を過ごし、諦めかけたであろうトップ娘役の座を射止めたゆきちゃん(仙名)。
ここではどちらがタカラジェンヌ、舞台人として幸せか否かを綴るつもりはありません。
それは個々の生徒さんによって追い求める夢は異なるでしょうから。
しかし・・・
ピラミッド体制が宝塚には存在します。
フィナーレであの大きな羽を背負って大階段を降りることが許されるのがトップスターさんのみ!というのと同じように、娘役にもトップ娘役であることが「目で見てわかる」「作品を見てもわかる」点があることを、『神々の土地』『クラシカル ビジュー』でも、舞台上で示されていました。
その歴然とした差を整理していくと・・・
お芝居『神々の土地』に関しては、伶美うららさんはヒロインとして朝夏まなとさんの相手役という存在感を十分に示していました。
しかし・・・
ショー『クラシカル ビジュー』のフィナーレ以降では明らかにトップ娘役ではないことが、舞台上で明確に示されています。
トップ娘役 | トップ娘役以外 | |
羽の大きさ | トップスターに次ぐサイズ | 若干大きめの娘役スターサイズ |
デュエットダンス | 有り | なし |
階段降りの順序 | トップスターの前 | 娘役スター扱い (伶美うららさんはエトワールの次) |
↑↑これだけ?という見方もありますが、生徒さんはもちろんファンも宝塚のピラミッドの中でこだわりのある部分だと思います。
その点で今回の公演のみでも伶美うららさんをトップ娘扱いにできなかったのか?
序列に対して、そんなことを考えてしまいました。
↑↑羽の大きが・・・、やっぱり寂しく悲しく感じて。
伶美うららに贈る賛辞
伶美うららさんが『神々の土地』で演じているイリナは、初日からどんどん進化して、その美し舞台姿と共にこの役を演じることができる娘役は今現在はゆうりさん以外にいない!
そういう思いがどんどん膨らんできました。
おそらくは宝塚大劇場の千秋楽を終え、東京ではもっと進化するに違いないでしょう。
なのに・・・
宝塚の舞台といえば、宝塚を観たことがない人でさえ知る「大きな羽」(この場合は娘役としての大きな羽)を背負うことなく、芝居ではヒロイン相当でありながらも、「トップ娘役不在」と明言されている中ではデュエットダンスすらない・・・
ゆうりさんとまぁ様(朝夏)で観たかった・・・
一ファンとしてそんな悔しさに似た物を持ってしまいました。
宙組・伶美うらら、本拠地ラストステージに全力!(スポーツ報知) – Yahoo!ニュース on @YahooNewsTopics https://t.co/EDtqDRncMn pic.twitter.com/9DNZRpeqHk
— 桜木星子 (@seiko_sakuragi) 2017年9月14日
ゆうりさんご本人に葛藤があったかどうかは知る由もありませんが、まぁ様が宙組二番手時代の『翼ある人々』でコンビを組んだこと、それと同じ上田久美子先生の作品で退団することを決意したことを「存分に楽しんでいる」と明言していらっしゃる以上、それを言葉通りに受け止めたいと思います。
宝塚出身で美人!といえば、現在女優として活躍中の檀れい(だんれい)さんがいらっしゃいます。
奇しくも『王家に捧ぐ歌』では同じアムネリス(エジプト王ファラオの娘)を演じていますね。
伶美うららさんは、退団後の活動についても何も語っていませんが、美貌だけでなく、檀れいさんと同じく映像や舞台の世界で活躍する可能性もあるでしょう。
明日は前楽、明後日は千秋楽。
さよならショーでは朝夏まなとさんや他の退団者と共に、素晴らしいステージを観せてくれることでしょう。
この公演でヒロインとしてファンを虜にした伶美うららさんは、多くのファンの心の中で「トップ娘役」だったと思います。
まとめ
宝塚には独特の様式美があります。
スター制度もその一つですね。
例外を作ってはいけないのか?
伶美うららさんのラスト公演を観ていて、そう思わざる得ない美しさと演技に「トップ娘役になること」と「ヒロインであってもそうではないこと」の差を整理してみました。
管理人・すみれ子は奇跡的に宝塚大劇場の千秋楽を観劇する予定です。
またそれについては改めて感想をレポートする予定ですので、またご訪問ください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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