男役黒燕尾・宙組『クライマックス』の 楽曲・振付・衣装
使用楽曲
黒燕尾シーンでの使用楽曲は、あの有名なベートーベンのピアノ曲「月光」です。
正確には、ピアノソナタ第14番嬰ハ短調 作品27-2。
ベートーベンが作曲したピアノソナタ32曲のうちでも・・・
- ピアノソナタ第8番「悲愴」
- ピアノソナタ第14番「月光」
- ピアノソナタ第23番「熱情」
上述の3曲は、現代では三大ピアノソナタと言われていますが、その中の一曲に当たります。
↓↓これが「月光」
男役イケメンズが大階段に板付の時は、ロック風にアレンジされていて度肝を抜かれるのですが、振りとそのアレンジが非常にマッチしています。
(この部分を聴いていただけないのが悲しい・・・)
上記の動画のオリジナルメロディーは、トップスター・大空祐飛さんのセリ上がりでの登場と共にピアノソロで流れます。
そして退団する大空さんに組子が別れを告げるような振り付けの部分などは、またかなりアレンジされていてロック調になっていました。
振り付け
振り付けは羽山紀代美先生。
イチオシの黒燕尾男役群舞に『国境のない地図』を選んだ、路線ノル香も書いていますが、その言葉通り「羽山先生の振り付けは荘厳で気品があるのに色っぽく、まさに黒燕尾の振付家として最高」です。
シンプルな動きの中で、情感や独自の色香を男役さん達に表現させるのが、羽山先生の振り付けですね。
このフィナーレナンバーは、大空祐飛さんがソロで一曲歌ってからデュエットダンス、男役群舞という流れですが、全て羽山先生の振り付けです。
パッ観ただけでも「あっ、今回の振り付けは羽山先生ね」とディープなファンの方なら気づかれる人もいらっしゃるかも?
それぐらい男役を美しく際立たせることのできる振り付け家さんです。
衣装
衣装はトップスター・大空祐飛さんも含めて、全員黒のシンプルな燕尾服でした。
シンプルな黒燕尾の場合も、トップスターさんのみはスパンコールなどの飾り付けが施された衣装の場合が多いです。
すみれ子の勝手な想像ながら大空さんはご自身の希望で、何の飾りもない黒燕尾服を選ばれたのだろうと思っています。
(宝塚大劇場の千秋楽では、黒燕尾で大階段を降りられたぐらい何か大空祐飛としての「男役への拘り」を感じるトップスターさんだったので)
正直言って大空祐飛さんはじっくりと男役を極めてトップスターになられたものの、歌、ダンス共にテクニックに優れているとは言えませんでした(汗)。
しかし、立っているだけで哀愁ある男役の香りを放つ力のあるスターさん。
衣装の着こなしもどこか垢抜けたセンスの大空祐飛の魅力がありました。
それゆえにシンプルに飾りのない黒燕尾でも、大空祐飛独特のクールな魅力で宙組長身イケメンずを率いての群舞は、グッとファンのハートに刺さる物を持っていました。
ちなみに・・・
衣装自体のお話からは少しそれますが、燕尾服の「燕尾」とは何かご存知でしょうか?
裾が燕の尾のような形になっていることから「燕尾」と呼ばれるそうです。
男役さんは、燕尾服を美しく着こなす力は必要。
さらに踊る時はダンスのテクニックだけでなく、裾の「燕の尾」の部分が美しいラインを描いて見せることにもこだわっているそうです。
男役燕尾群舞・すみれ子のまとめ
宝塚に男役として入団したからには「いつ燕尾の群舞」に選ばれるか?
これはまず第一の憧れなのではないかと思います。
燕尾の最下級生がどの学年になるのか? 研3ぐらい?
しっかりと把握していませんが、現在・月組トップ娘役の愛希れいか(まなきれいか)さんは男役時代「研3で男役燕尾アンサンブルに抜擢されたダンサー」という愛希れいかさんの記事を読んだ記憶があります。
・・・ということは、早くて研3ぐらいなのかなぁ?と想像しています。
何にせよ、たくさんの上級生さんに混じって踊る幸せもあるでしょう。
逆に、アンサンブルをより美しく作り上げるために、ついていく必死さもあるはず・・・
そんな下級生からトップスターをはじめ、組長さんクラスの上級生までが、心を一つに作るからこその美しさが燕尾の群舞にはありますよね。
男役黒燕尾のもう一つの好きな作品
もう一つどうしてもご紹介したい黒燕尾作品があったので、長すぎやろ?この記事は!とお叱り承知で書き残しておきます。
それは・・・
『Amour de 99』の黒燕尾の群舞です。
こちらは動画が見つかったので載せておきますね。
↓↓宙組『Amour de 99』
この時の宙組トップスターは凰稀かなめ(おうきかなめ)さん。
男役が全員紅いバラを一輪手にしています。
これがシンプルな黒燕尾に映えて美しく、宙組の長身イケメン男役のビジュアルをさらに引き立てています。
どうやら凰稀かなめさんのバラは生花だったのか、毎公演銀橋からお客様に手渡されていました。
この記事ですみれ子がご紹介した『クライマックス』と共通するのは、黒のシンプルな燕尾服であること!
やっぱり黒燕尾最高! と思うすみれ子でした。
↓↓7. 男役群舞のまとめ
コメント
すみれ子さん、皆さま
小生の意見はアンケートには回答しましたが、挙げていただいた3つの作品は自分はどれも観ていません。(そもそも宝塚自体に興味が無かった時代ゆえ)
でも三者三様で面白いですね。今度こういう企画をすることがあったら「デュエットダンス」を取りあげていただけると嬉しいです。自分は絶対推しのがあるんですが、それが選ばれるかどうかに興味があります。
今週末は始発に乗って赤坂ACTシアターでの当日券並び予定です。「雨に唄えば」ですが、雨でないといいな。
うみひこさん
コメントありがとうございます。
企画はほとんど「思いつき」だったのですが、ご覧いただきありがとうございます。
今のショー作品で「燕尾群舞」の次に外せないのが、うみひこさんのおっしゃる「デュエットダンス」ですね。
私の頭にパッと浮かんだのは朝夏まなとさんと美咲りおんさんのデュエットダンス。(どの作品というわけではないですが)
最高に軽やかで美しく魅せてくれる世界がありました。
いつか機会があれば記事にできるように努力して見ますね。