宝塚の舞台機構【大階段、銀橋、盆、セリ、緞帳】徹底解説!

宝塚コラム

 

【銀橋】客席と本舞台をつなぐ橋

さて、大階段と同じくらいに重要な舞台機構、【銀橋】について。

舞台用語では「エプロンステージ」と呼びまして、北海道にもこのエプロンステージのある劇場があるとか。

宝塚の専門用語でこのエプロンステージを「銀橋(ぎんきょう)」と呼びます。

 

宝塚の場合は、オーケストラの皆さんが入っている穴(通称オケピ)をぐるりと囲むように銀橋がせり出しています。

 

以下が舞台の各箇所の用語です。

 

 

基本的には本舞台でお芝居やショーを繰り広げますが、その中の何度か、必ず銀橋を使った演出が入ります。

これも大階段と同じように非常に使い勝手のいい舞台装置でして、この銀橋があるからこそ演出の幅が何倍にも広がったりします。

 

例えば、お芝居で使う場合には、銀橋を道に見立てることができます。

登場人物が歩いてどこかへ向かっているという表現をしたい場合に、複数人で会話を交わしながらであったり、単独で歌を歌ったりしてこの銀橋を歩きます。

その間に、本舞台ではセットの転換を行うことができます。

スターさんが本舞台に到着する頃には、行先の建物のスタンバイは完了。

いちいち幕を下ろしてセットチェンジの時間を設けなくてもスムーズに物語を進行できますよね。

お芝居のメインテーマソングをトップさんが歌う時もたいてい銀橋に出ていらっしゃいます。

 

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↓宙組公演『ベルサイユのばら』。銀橋にトップさんが出てくるときは必ず拍手をするというのが決まり事です。

 

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そしてもちろん、「スターさんが目の前に来た!!」という臨場感を味わえるのが銀橋のいちばんの醍醐味。

ショーで銀橋に生徒さんたちがずらりと並ぶ姿はもう大感動!

 

↓花組公演『Sente!』にて。トップコンビから2番手さんから勢ぞろい!ここから客席にウインクやら目線やらが飛び交いまくります!失神しそう…(白目)

 

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公演の最後にトップさんが大羽根を背負って大階段を降りてきて、全員でこの銀橋に集まる「パレード」と呼ばれる場面が銀橋におけるいちばんの見どころでしょうか。

 

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↓花組公演『ポーの一族』のパレード。人間ではないような美しさの明日海りおさんが目の前に…(白目)

 

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前方席は、大羽根からの風が来るほどの近さ。

ライトを浴びたスターさんたちが目の前にいて、「わっ!目が合った?!」なんてことも日常茶飯事。

「目が合ったなんて気のせいでしょ~!」

なんてことはなく、本当にタカラジェンヌさんたちはお客様ひとりひとりの目を見ていらっしゃるそうですよ。

特に銀橋に出ると、視力のいい生徒さんは2階席の奥のほうまでしっかり見えるそうなので、「目が合った?!」というのはあながち気のせいではないのです!

 

一般的に、舞台演劇というのはセットチェンジというものがありますので、観客はその間数十秒ほど真っ暗ななか待たされます。

これを「暗転」と言いますが、暗転は芝居の流れを一旦途切れさせてしまったり、観客の集中も途切れがちになります。

なので、できるだけセットチェンジの時間は無いほうがベスト。

これを解消したのが銀橋や、次の項目で説明する【盆】や【セリ】でした。

演出において非常に便利な上に客席に臨場感を届けることもできる銀橋。

大階段と同じように非常によくできた舞台機構のひとつです。

 

さらに、銀橋をひとりで最初から最後まで渡るというのも、その生徒さんの番手や活躍度を推し量るバロメーターになったりします。

例えば、同じトップ娘役さんといえども、銀橋を一人で渡らせてもらえる人とそうでない人がいます。

学年がまだ若いとかトップ娘役に就任して間もないとかの背景もありますが、そのトップ娘役さんへの劇団期待度・推進度が表れている場合が多いですね。

 

他にも、路線スターではあるけれどまだ正式な番手はついていない男役さんが「初めて銀橋を一人で渡った!」となると、劇団がこれから番手をつけるために推していくつもりなのだろう、ということが推測できます。

生徒さんの活躍度まで計れるというすごい舞台機構、銀橋なのでした。

 

 

↓↓3.ボンとセリの幅広い活用法!

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