観劇時の感想
私のリアル『王家に捧ぐ歌』観劇はこの2016年宙組公演が初めてでした。
作品の楽曲はよく知っていましたので、歌に定評があるみりおん(実咲)がどんなアイーダを演じてくれるかに非常に期待していました。
・・・というのも、初演でアイーダを演じた安蘭けいさんは男役でありながら、歌の上手さをかわれてのアイーダ役挑戦であったし(←DVD 鑑賞)、安蘭けいさんが宝塚退団後のミュージカル『アイーダ』(外部作品ながら全く同じ内容)は観劇して、その歌にかなりググッとくるものを感じていたのです。
次に何と言ってもまぁ様 こと 朝夏まなとさんのトップお披露目公演であったこと!新生宙組がどういう舞台を作りあげて入れるか、という点で期待感がありました。
作品について
『王家に捧ぐ歌』はサブタイトルに、オペラ「アイーダ」よりとある通り、ヴェルディ作曲のオペラ『アイーダ』を元に宝塚の作品として舞台化されています。
それはストーリーの着想をオペラ『アイーダ』から得てはいますが、楽曲は宝塚版として新たな脚本・音楽で書き直した作品です。
脚本は木村信司氏、作曲は甲斐正人氏。
宝塚は昨今、海外ミュージカルを小池修一郎氏の潤色で度々上演しているので、海外ミュージカルの脚本や楽曲の素晴らしさを感じること多々ですが、宝塚のオリジナル作品としてこれだけのレベルの高い大作ができるんだ! とこの『王家に捧ぐ歌』初日を観た時に「それならもっとヅカオリジナル作ってーーーーっ!!」と思ったものです。
外部作品『アイーダ』は観てはいても、劇場の多いさ、出演者の人数、そして宝塚ならではの豪華さがプラスされると、ヅカファンとしてはやっぱり「外部は外部だ・・・」と思うところもあり、初日の感動は忘れられません。
この物語は遠い昔のエジプトとエチオピアの戦いの中でエジプトの若き将軍とエチオピアの王女の恋を描きつつ、戦争の愚かしさを描き、ラストで切なく悲しい思いにとらわれてしまいます。
でも宝塚っていいなぁ・・・
そう思うのはフィナーレでカッコイイ男役達のダンスを見たり、劇中では悲しい結末を迎えたカップルであるトップコンビがにこやかにデュエットダンスを踊っていたり、劇場を後にする頃にはハッピーな夢見心地になれることですね。
主要な役について
まぁ様(朝夏)は初日から若さみなぎるエチオピアの若き将軍を見せてくれました。
トップお披露目公演とは思えないぐらい、大きく成長して、組のカラーまですでに朝夏色に変えてしまった様な印象で、組子達がぐいぐい引っ張られているのがわかります。
宙組は「アンサンブルの組」とよく言われていますが、コーラスもダンスも皆の一致団結した気持ちが表れていて、これからの宙組が楽しみだと心から思いました。
みりおん(実咲)も、前トップ・凰稀 かなめ(おうきかなめ)さん時代は相手役として、作品から判断するとヒロインとは言えない状況が続き、ファンから見ると実力がある娘役さんだけに不遇な気がしていましたが、アイーダ役で魅力が一気に開花し、また新しい相手役である、まぁ様の大きな懐で大切にされている様に思えました。
この作品で二番手として星組から組み替えしてきた、真風 涼帆(まかぜすずほ)さんも違和感なく宙組に溶け込み、三番手が確定した愛月 ひかる(あいづき ひかる)さんはじめ、一気に若手スターとして脚光を浴び始めた桜木 みなと(さくらぎみなと)さんなど宙組の層の厚さも感じました。
↓↓ 博多座 へ続く
コメント