宙組公演『白鷺の城/異人たちのルネサンス』をより深く楽しむためのお勉強講座

宙組

 

『異人たちのルネサンス』フランチェスコ・デ・パッツィ

『異人たちのルネサンス』では、グイド司教・愛月ひかる(あいづきひかる)さんと組んでメディチ兄弟を滅ぼそうと企てるパッツィ。

実際のパッツィもかなりの悪者で、同じ支配者として対立していたメディチ家を滅ぼそうと暗殺を企て、実際に弟のジュリアーノを暗殺します。

 

劇中と同じように、教会での襲撃だったようです。

この黒幕には大物の政治家も絡んでいたようですが、この事件でパッツィ家の多くが処刑されました。

ロレンツォとジュリアーノの妹・ビアンカと暗殺の首謀者・フランチェスコの兄が結婚していたりするので、本当は身内でもあるんですけどね。

 

『異人たちのルネサンス』師匠・ヴェロッキオは?

『異人たちのルネサンス』で、いわゆる「愛想尽かし」を見せているレオナルドの親方、ヴェロッキオさん(松風 輝さん)。

本心とは違うのに、「お前の存在は迷惑なんだ!」と言って自分をわざと嫌わせて相手の幸せのために身を引くという「愛想尽かし」。

粋ですよね~ヴェロッキオ親方。

 

実際のヴェロッキオ親方もなかなかの素晴らしい人物だったようです。

「稀代の良師」と絶賛されるほど、弟子の才能を伸ばすことに秀でていたそうで、ヴェロッキオ親方のもとからたくさんの偉大な芸術家が誕生しています。

 

劇中ではロレンツォから嫌がらせを受けて逮捕されてしまいますが、実際はメディチ家からたくさんの援助を受けて多くの作品を生み出しています。

実はメディチ銀行のほうが赤字続きで、金払いが良くなかったにもかかわらずたくさんの美術品を納品していたそうです。

「レオナルドがいなかったらからうちの工房はやっていかれるのか…?」みたいな扱いになっていますが、実際はそんなことないんですね(*^^*)

 

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『異人たちのルネサンス』の工房の仲間たち

 

 

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レオナルドと共に工房で一生懸命に作品に取り掛かっている仲間たちも、その全員が実在の工房仲間です。

この時代の宗教画を数多く手がけ、現代でも高い価値が認められている画家たちです。

 

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ペルジーノ

澄輝さやと(すみきさやと)さん演じるペルジーノ。

工房時代から大人気の画家で、あまりの注文の多さに似通った作品を発表することもあったようです。

作品の特徴は優美で上品な作風。

 

 

 

バチカン市国にあるシスティーナ礼拝堂の壁画制作に参加したり、ラファエロの師匠を務めたこともあるそうです。

絵画に造詣が深くないとあまり耳にしないお名前ですが、戦争でその作品の多くが失われてしまったせいもあるようですね。

『異人たちのルネサンス』での澄輝さんは赤毛という役作りですが、ご本人は赤毛ではないようです。

 

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ボッティチェリ

こちらは多くの人が耳にしたことのある画家。

蒼羽りく(そらはねりく)さんが演じていらっしゃいます。

ボッティチェリといえばやっぱり『ヴィーナスの誕生』ですね。

 

 

ジュリアーノの欄で触れましたが、このモデルは当時フィレンツェでナンバーワンと言われた美女をモデルにしているそうです。

劇中で蒼羽さんが一生懸命追いかけている華妃まいあ(はなきまいあ)さんがそうなのでしょうか…? (*^^*)

いろいろな工房を何か所か転々としたそうですが、ヴェロッキオ親方の影響を非常に強く受けているそうです。

 

クレディ

和希そら(かずきそら)さん演じるクレディは、ロレンツォ・ディ・クレディが本名。

ロレンツォさまと同じなんですね。

我々にはあまり馴染みのない方ですが、ヴェロッキオ親方が亡くなった後は工房を継いだのがクレディだそうです。

職人たちからの人望が厚かったのでしょうか。

確かに、お芝居序盤でレオナルドに工房の危機を知らせに来たり、ヴェロッキオ親方と共に工房に入ってきたり…

工房の中心人物のような演出が観られますね。

 

クレディといえば、クレディが描いたカテリーナ・スフォルツァの肖像が『モナ・リザ』によく似ているという指摘があるとか。

 

 

他にも、クレディの作品にはヴェロッキオ親方のもとで学んだいろいろな画家の特徴が見られるようです。

 

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『異人たちのルネサンス』作品中の創作人物

 

『異人たちのルネサンス』には、愛月ひかるさん演じるグイド司教が黒幕として登場します。

カテリーナを洗脳して籠の鳥としての人生を強要し、国の支配者になるためにいろいろと画策するワル~イ奴。

このグイド司教とカテリーナが、『異人たちのルネサンス』での創作人物のよう。

 

しかし、先述したようにカテリーナはレオナルドの実母の名前ですし、当時は聖職者に政治家としての権限が大きかったのでグイド司教のように野心を燃やす人物もたくさんいたでしょう。

『異人たちのルネサンス』は史実をもとに田渕先生が空想を膨らませた物語ということですね。

 

このエピソードをもとに観劇をして、物語をより深く楽しんでいただけたら嬉しく思います!

ノル香もあと1回の観劇、平安時代・戦国時代・江戸時代の日本から500年前のイタリアまで、思いを馳せて楽しんでみたいです。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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