『王妃の館』光(ポジ)ツアーの旅行者達
下田夫妻の寿 つかさと美風 舞良
組長・寿つかさ(ことぶきつかさ)さんと副組長・美風 舞良(みかぜまいら)さんの夫婦。
多額の借金を抱えながら、ポジツアーに参加。
ひと問答起こす夫婦ですが、互いを思いやる二人。
特に美風 舞良さん演じる下田ふさ子が、どんな境遇でも笑っている苦労人であるあたりは、この作品を観劇後に観客が「心が温まる良い作品」と思うポイントです。
早見リツ子の純矢ちとせ
北白川右京の編集者、早見リツ子は純矢ちとせ(じゅんやちとせ)さん。
スーツ姿にメガネとハイヒール。テキパキとしていて見るからにできる編集者です。
はじめは一瞬純矢ちとせさんとは気づきませんでした。
どっしりと貫禄たっぷりな皇后だとか、脇でしっかり舞台を締めている人だけに、今回はテンションが高く(言い換えるとオールドミスの行き遅れハイミス感たっぷりなイメージ)、個性的な役でしたが、また純矢ちとせさんの芝居のうまさにやられた!と思いました。
ミチルの星風まどか
愛月ひかるさん演じる金沢貫一の恋人。
ショッキングイエローとでもいうような黄色のファーのジャケットにミニスカートで「パパ」と金沢貫一に甘えるミチル。
ご本人のリアル年齢の若さに加え可愛いビジュアルも加わって、清純なイメージしかなかった星風まどか(ほしかぜまどか)さんとしては、少し色っぽい感もあり一歩前進です。
実力があり、今宝塚のプロデューサーが一番使いたい娘役と言われている星風まどかさんですから、トップ娘役になることは時間の問題でしょう。
まだ様々の役の経験を積んでほしい・・・と思っていたので、このミチルは彼女がステップアップするポイントになることでしょう。
影(ネガ)ツアーの旅行者達
岩波夫妻の一樹 千尋(いちきちひろ)さんと花音 舞(かのんまい)さん。
一樹 千尋さんはさすがに専科からの特別出演とあって、第二次世界大戦で徴兵され過去も違和感がありません。驚いたのが花音舞さんで、どこから見ても格安海外ツアーに絶対にいそうなおばあちゃん。ほんの少し曲がった背中にも年齢が感じられます。
まだ若いのに達者な演技に目を見張りました。
近藤誠の澄輝 さやと
正義感のある警察官。(原作では警察を辞めたという設定でした)
スニーカーを履いていてもスラリと長い足。この数作でメキメキとスターらしくなり、大人な男役度が上がってきましたね。
クレヨンの蒼羽 りく
クレヨンこと黒岩源太というややこしい役を演じているのが、蒼羽 りく(そらはねりく)さん。
つまり・・・ゲイです。
男役を演じている人が、ゲイを演じるのは、単純に女役を演じるのとは違って難しいのではないかと想像しますが、クレヨンは至る所で客席の笑いを取っています。
近藤誠にもじゃけんにされながらも最後は・・・な驚きのシーンも絵になっていますね。
丹野夫妻の凛城きらと彩花 まり
表向きは個人輸入を行なっていることになっているが、実は国際的な窃盗とクレジット詐欺師の夫婦。
昼間だけ『王妃の館』に滞在する影(ネガ)ツアーであることを利用して、光(ポジ)ツアーの客の荷物から高額品を盗もうとします。
いかにも悪者的は雰囲気は醸しだしていますが、心底の悪ではない。
凛城きらさんもさることながら、彩花まりさんが大人っぽさと悪の香りを漂わせ好演です。
↓↓4.『王妃の館』のその他の登場人物 / まとめ
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