エリザベートを支えたもう一人
(出典:http://835.jp/)
エリザベートの心に寄り添うような存在がトート。
そしてエリザベートを支えたもう一人はは夫となったフランツ・ヨーゼフでした。
彼もまた彼女を愛しつつも本当の意味で理解できず、また彼女の愛を得ることもできず悩みの多い人生を送ります。
このフランツを演じた真風 涼帆(まかぜ すずほ)さん。
青年時代から徐々に人として年輪をかさねていく過程をうまく表現されていました。
真風さんがこういうグッと抑えた役所って他の作品で観たことがあるかしら?と思い出そうとしましたが、浮かんできません。
どちらかといえば発散系だったり、黒っぽい役が多かった?
今回は正統派で皇帝!
所作も堂々として威厳ある存在。
フランツは歌も多く、音域も低く広いから初日には「うん、まだ伸びしろがあるから」と思いました。
でも千秋楽には何の不安もなくフランツそのものでした。
また東京公演でもっとすごい存在になることでしょう。
心からエリザベートを愛しながらも、心のすれ違いに苦しむフランツ。
悲しいものですね。
物語の進行役が主役を食らう? ルキーニ!
(出典:http://835.jp/)
この難役に挑戦の愛月ひかるさん(あいづきひかる)。素晴らしかったです。
幕開き早々に上手から銀橋へ登場!
一瞬にして客席を引き寄せて物語に引き込む難役です。
実際にエリザベートを暗殺した人物ですが、舞台上のルキーニは物語の中の進行役であり、狂言回してきな存在。
愛月さんも新人公演で主演をかさね、どちらかといえば端正な二枚目な役が似合いそうな、いわゆる路線男役として注目されてきた生徒さんでした。
多分2015年の『Top Hat』でアルベルトを演じて殻を破ったことが、今のルキーニにつながっています。のびのびと悪人を演じることの楽しさを知ったように感じられました。
3人が役替わりで見せた、それぞれのルドルフ
皇太子ルドルフ、ハンガリーの革命家シュテファン、シュテファンを
澄輝 さやと(すみきさやと)さん
蒼羽 りく(そらはねりく)さん
桜木 みなと(さくらぎみなと)さん
の三名が役替わりで演じるのも今回の公演の話題でしたね。
一ヶ月の公演で役替わりが必要か? というお話は別にしておいて・・・
どのルドルフも好演でした。
私自身のイメージでは桜木みなとさんがはまり役だと思っていました。しかし実際観劇すると蒼羽りくさんはピストル自殺をするくだりの表情は、トートに取り憑かれているようでルドルフの心情が溢れていたし、澄輝さやとさんも大人でありながらも父を乗り越えられない苦悩を感じさせてくれまいた。
まさに甲乙つけがたし!
これぞ観た人によって感じるものが異なるでしょう。
唯一、難を感じるとしたら歌がもうちょっと・・・な方もありました。でもね、東京公演でまた進化するかもしれません。ハードスケジュールで役替わりに取り組む3人の生徒さんの検討を祈っています。
↓↓皇后ゾフィーとその取り巻き、エリザベートの両親 に続く
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