『ポーの一族』宝塚・感想、エドガー&アランが作る世界観と作品の秀逸さ!

宝塚コラム

『ポーの一族』宝塚版上演の意義

花組トップスター・明日海りおさんは、月組で準トップスターという肩書きで、宝塚大劇場、東京宝塚劇場での主演を経験後、花組に組み替え。

前・花組トップスター蘭寿とむ(らんじゅとむ)さん時代を2番手スターとして支えた後、2014年6月に花組トップスターに就任したことは、ファンの方はすでにご存知ですね。

トップお披露目公演となった『エリザベート』ではトート役。

クールで冷んやりとした空気を持つ、明日海トートは美しさ、歌唱力と共に、明日海りおさんの魅力に溢れていました。

しかし・・・

相手役であった蘭乃はな(らんのはな)さん、花乃まりあ(かのまりあ)さんが相次いで退団するなど、ファン目線で見た時に恵まれない・・・と呟きたくなる状況がありました。

若手時代から宝塚の正統派の二枚目として注目をあび、実力も持ち合わせていながら、どこかそういう思いが払拭できないまま、2018年にはトップ在任期間4年となります。

トップ歴を考えると「いつ退団してもおかしくない」時間が経過。

下級生時代から宝塚スターとしての資質に注目されていたのに、明日海りおの代表作と言える作品に恵まれないままでは、あまりにも惜しい・・・。

そんなもどかしさを感じることがありました。

 

 




 

でも・・・

『ポーの一族』はもうすでに明日海りおの代表作です。

これほどまでに不老不死のバンパネラ・エドガーを演じて、エドガーを演じるために必要な要素を合わせ持つスターは、今の宝塚にはいないでしょう。

また、明日海りおさんの『ポーの一族』とエドガーという役に対する意気込みも、半端ない物を舞台化から感じました。

もちろん今までのどの公演でも明日海さんは力いっぱい演じていました。

過酷な準トップ時代の役替わり公演(月組『ロミオとジュリエット』『ベルサイユのばら』)でも。

しかし『ポーの一族』エドガー役は、月組時代、花組組み替え後、そして花組トップスターとしての約3年半の経験を積んだ今だからこそ、こんなに魅力的なエドガーとなったと思います。

宝塚での『ポーの一族』の上演は、花組トップスター・明日海りおにとっての彼女にしか演じられない代表作を生んだことは一つの意義と言えるでしょう。

努力家と言われているみりおさん(明日海)です。

しかし水色のカラーコンタクトを使い、メイクを研究し、お稽古中からエドガーの生きた時代を意識して稽古に励み、持ち合わせた美しさや歌唱力のみならず、これらの努力が『ポーの一族』宝塚版のエドガー誕生につながったのでしょうね。

 

原作は常に身近に置き、美しき主人公の顔の角度を研究。少年のまま年を重ねていく役柄の声色まで想像した。「普段の洋服も、あまり着なくなっていたフリルのついたものを選ぶように。生花店を通るとバラを見てしまいますね」
容姿から細部にわたって入念に行う役作りに定評がある。主人公の印象的な巻き毛は、自身の顔や頭身バランスと合うように調整し続ける。原作の「青い瞳」という表現から、制作発表では水色のカラーコンタクトにも初挑戦。「舞台のライトが当たってどれだけ効果があるか。なければ、メークで色を出すことも視野に入れています」と徹底的に作り上げる。

(出典:産経west 12.29

 




 

また、演出家が温め続けてきた原作を舞台化する力

これを作・演出家、小池修一郎先生は世に示しました

そして常設の劇場を持ち、作家・演出家を抱え、舞台装置に衣装も全て自前で行っている、日本で唯一の劇団、宝塚歌劇団。

『ポーの一族』の世界を作る上では、脚本家や出演者の力量だけでなく、舞台装置や衣装なども重要なポイントです。

それを十分に生かしてこその『ポーの一族』宝塚版の成功だったと深く思うのです。

宝塚ファンとして、1作品を必ず最低一度は観劇するスタイルの私、すみれ子。

普段、深く考えることもなかったのですが、『ポーの一族』は以上の条件を備えた宝塚だからこそ、これだけ心に残る物を魅せてくれたと実感しました。

 

『ポーの一族』作品としての感想・まとめ

この記事では『ポーの一族』観劇の感想を、「作品として」という観点で綴りました。

記事中に記載していない役を演じられた生徒さんにも、多々「芝居の上手さ」「歌の上手さ」に目が止まった方は多々。

フィナーレナンバーも素敵でした。

↓↓明日海りおさん&仙名彩世さんのデュエットダンス

(出典:https://twitter.com/

 

書ききれなかった生徒さんのファンが、もしこの拙文をご覧になったとしたら・・・

ごめんなさい!

ですが、『ポーの一族』宝塚版は花組生全ての力で、明日海りおさんの代表作というだけでなく、必ず宝塚の代表作の一つと言われることでしょう。

 

『ポーの一族』は非常にチケット難でどうしても観ることができなかったかたもたくさんいらっしゃいます。

そういうファンには・・・

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最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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