月組『カンパニー』でバレエシーンを堪能
宝塚の生徒さんは子供の頃からクラシックバレエを習っていた人が多いです。
少なくとも生徒さん全員が、音楽学校の受験時にはバレエの試験もあるので、受験までに最低限の基礎を学ぶ、また2年間の音楽学校授業でもバレエのレッスンを受けているはずです。
しかし実際、宝塚に入団するとクラシックバレエを舞台で踊る機会は、昨今は少ないですよね。
例外的に月組公演『All for One』は、舞踊を好んだ太陽王ルイ14世が主要人物だったので当時のバレエシーンはありました。
しかし『カンパニー』では幕開き冒頭から、バレエダンサー高野 悠(美弥るりか)が「白鳥の湖」でジークフリートを踊るシーンがあります。
愛希れいか(まなきれいか)さんも白鳥を踊りますが、流石にバレエ経験が豊富なチャピ(愛希)は綺麗ですし、オデットの早乙女わかば(さおとめわかば)さんをはじめ、たくさんの娘役さんが、トウシューズで踊るとバレエシーンを堪能できてしまいます。
愛希れいかさんは昨年の『グランドホテル』でも、バレエダンサー役でトウシューズで踊っていましたが、「バレエ団員」という役柄設定に沿った踊りを見せられるのも宝塚の生徒さんだからこそ!
そう感じました。
また、今回は前作『All for One』ほど目立つ役所ではありませんが、舞台監督役の風間柚乃(かざまゆの)さん。
立っているだけでもオーラがありますね。
今作新人公演で初主演。
どんな舞台を作り上げるか楽しみです。
バレエダンサーの暁千星(あかつきちせい)さんも、4番手格として安定した実力を発揮していました。
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月組『カンパニー』でのバーバリアンの魅力
バーバリアンとは、月組『カンパニー』の作品中に登場するパフォーマーグループ。
新解釈「白鳥の湖」上演成功のために、バレエ団とタッグを組みます。
阿久津仁(宇月 颯)をリーダーとして、メンバーの水上那由多(月城かなと)他、5名がキレッキレのパフォーマンスを見せるあたりも印象に残ります。
クラシックバレエとパフォーマンスの対比が面白いです。
月組『カンパニー』作品としての感想
月組公演『カンパニー -努力(レッスン)、情熱(パッション)、そして仲間たち(カンパニー) -』は、以上のように内容的に作品としての魅力は満載です。
トップスター・珠城りょうさんだけでなく、2番手スター・美弥るりか(みやるりか)さんの色香あるバレエダンサーも素敵!
月城かなと(つきしろかなと)さんのパフォーマーもいけてる!
次作で退団発表したトップ娘役・愛希れいかさんも、歌、芝居に成長を見せるだけでなく、バレエダンサーという役で水を得た魚のように、美しく踊る姿にうっとり。
この公演で退団の宇月颯(うづきはやて)さん、早乙女わかば(さおとめわかば)さんも活躍も目を見張るものがあります。
なのに・・・
- 盆踊りでのフラッシュモブ
- 新解釈の「白鳥の湖」成功
この二つの盛り上がるシーンが中途半端に終わった気がしてなりません。
観劇していて舞台と共に気持ちが盛り上がったものの、「えっ?」とかわされてしまった感覚です。
石田昌也氏の作・演出作品にはこういう傾向はありがち?
少し残念な点でした。
『カンパニー -努力(レッスン)、情熱(パッション)、そして仲間たち(カンパニー) -』は、伊吹有喜の小説『カンパニー』を舞台化ながら、あくまで原案を小説から得て石田昌也氏が脚本を書いたスタイル。
原作を読み込んで観劇されるファンの方は、その点を知った上で観劇される方が良いかもしれません。
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