月組エリザベート2018観劇感想、愛希れいかの魅力満載!でもコメディ?

宝塚コラム

 

ここからは作品の中でのバランスに疑問はあったものの、『エリザベート』の世界で生きる生徒さんの魅力について綴っていきます。

珠城りょうの切なさが伝わるトート閣下

珠城りょうさんの持ち味といえば、おそらくは前作『カンパニー』の主人公のようにすっきり体育会系の人物が一番近いのだろう?

すみれ子はそう思っています。

まぁ、『エリザベート』のトートは真逆ですね。

トート(死)はエリザベートに惹かれて、ことあるごとにエリザベートにいわば求愛しては振られているわけですが、その時々に見せる珠城トートの辛い表情がなんとも悲しく、トートが深く傷ついていることがリアルに伝わってきました。

こういう点が人の温もりを感じる「死」だと私が思った点です。

ビジュアルなどについては、前述の通り珠城トートの魅力あるものだと思います。

↓↓衣装も珠城トート仕様で!金髪にあわせてトータルにトート閣下をひきたたせていました。

 

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たまきちトート閣下 #月組#宝塚#珠城りょう #エリザベート

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しかし・・・

何の場面かは失念しましたが、「アレッ?」と思うぐらいオーケストラの演奏とキーがかけ離れている。

ちょっと外した?とかそういうのではなくて、一瞬体調不良かと思ったほどです。

その後も時々・・・。

声量もあり、とってもうまいーーーーーーー!とは申しませんが、トップスターを務めるにふさわしい歌唱力はあるので、その点が非常に気がかりでした。

 

でもたくましさという点では現在の5組の中で秀でている珠城りょうさん(褒め言葉です!)

 

フィナーレで愛希れいかさんを持ち上げてのリフトは最高に美しかったです。

リフトは逞しいからできるという訳ではなく、持ち上げられる娘役さんの技術も高くないと成り立ちません。

今の宝塚では珠城りょう&愛希れいかレベルで美しいリフトを見せてくれるコンビはいないかな?

これで見納め・・・・と思うと、その美しさに涙が溢れそうでした。

 

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愛希れいかのキュートな魅力が光るエリザベート

エリザベートが作品の中ではじめて登場するのは子供時代ですね。

この時の愛希エリザベートの無邪気で自由奔放な姿。

もう「これっってちゃぴだからこそ、演じている感なくみせてくれる」と思いました。

やがてオーストリア皇帝・フランツに見初められてオーストリア皇后になって以降、ドレスの着こなしから立ち居振る舞いの美しいこと。

そして歌声の中にもオーストリア皇后のプライド、自立した女性像を感じさせ見事!

すみれ子が『エリザベート』の中で圧巻と感じるのは、一幕のラスト、「鏡の間」。

 

「私だけに」を歌い上げる愛希エリザは凛と美しく、ひれふしたくなるようなプライドの高ささえ感じるほどでした。

すみれ子は残念ながら宝塚を代表するトップ娘役・花總まり(はなふさまり)さん時代の宝塚を観劇していません。

おはな様(花總)は2016年に東宝版でもエリザベートを演じていますが、宝塚時代も、また東宝での上演でも非常に高い評価をえていますね。

これはすみれ子の想像の域を出ませんが、愛希れいかエリザベートはそのお花様に匹敵するぐらいのエリザベートを演じているのではないかと思います。

 

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美弥るりかフランツは永遠に妻を愛する皇帝

もっと若い頃のすみれ子ならば、マザコンのフランツにも共感できなかったかもしれません。

しかし、オーストリア皇帝という立場を考えると、エリザベートを見初め、結婚したものの、公の存在、皇帝フランツの行動は、今ならば理解できます。

美弥るりかさんのフランツは、みやちゃん(美弥)独特の色香が感じられ、物語の冒頭からラストにむかってだんだんと歳をかさねていくものの、容貌の衰えの中にも美しさと品のあるフランツでした。

有名な「ボート」の場面。

オーストリア皇帝という立場を離れて(ですよね?)、妻を迎えにいきながらも拒否される。

別の老夫婦がいたわりあいながら同じ場面に登場している対比が、フランツがエリザベートを深く愛してもなお心のすれ違いを埋められない悲しさ、苦しさを味わっていることが伝わります。

 

 

美弥るりかさんに「おヒゲ」が似合うか?

ちょっとイメージができませんでしたが、おヒゲがあっても、白髪まじりになっても美弥るりかはやっぱりイケメンなフランツでした。

 

 

↓↓5. 月城ルキーニ、暁ルドルフ、風間シュテファン、蘭世子ドルフは?

コメント

  1. うみひこ より:

    すみれ子さん
    月組エリザベートを観られたんですか。羨ましい。私は昨日日曜の朝10時からの東京の一般前売にトライしようと15分前にサイトにアクセスしたら、アクセス集中で行き着かずそのまま。結局オール売り切れ。東京は激戦すぎです。もう今回は諦めてライブビューイングにします。(それも取れるかどうか)
    幸運にも、新人公演だけはチケットあるんですけどね。

    私は実際の舞台のエリザベートを観たのは前回の宙組だけです。あら筋も知らず予習ゼロで朝5時並びの当日券観劇だったのですが、なんとも魅せられました。特にシシィ=実咲さんのお歌と演技に。体に電気が走ったような感覚でした。その後、早朝5時並びを2回してライブビューイングも観ました。登場人物の感情が伝わる芝居だったと思います。また純矢さんゾフィー、伶美さんマダム・ヴォルフがキャラ立ちしていたのが印象的。(ゾフィーはマジ怖いし、マダム・ヴォルフはエロい。)真風さんフランツのちょっと頼りない感じや、星風さん子ルドルフの不安定な感じも良かったです。

    その後、明日海さん主演の花組公演を映像で観ましたが、部分的にはいいね!と思うところはあったものの(シュヴァルツェンベルクやヴィンデッシュ嬢)、全体でいうと私も宙組公演の方が好みです。
    自分の中での比較・納得感のためにも、月組エリザベートは観たかったんですけどね。
    ああ、ムラに近い人はいいなー!

    • すみれ子 より:

      うみひこさん

      いつもコメントをありがとうございました。
      東京はムラ以上に、毎回の公演がチケット難なことを耳にしていますので、大劇場でもこの状況では通常より数倍のチケット
      難なのでしょうね。
      その中でもとーーーーっても競争率が高い新人公演チケットをお持ちというのは、すごいことだと思います。
      東京宝塚劇場は約2,000席。2,000人しか観られないのですから。
      なかには本公演よりレベルが高い、という声も聞かれた新人公演。お楽しみくださいね。

      さて・・・
      宙組『エリザベート』に電気が走った感覚をお持ちになられたのですね。
      私も宙組の『エリザ』は一人ひとりの生徒さんももちろんながら、トータルで調和のとれた質の高い作品になっていた
      と思います。
      実咲凜音さんは知性と教養あるエリザ像、しかも歌えて芝居もできて素晴らしかったです。もちろん、まぁ様トートも
      新鮮でした!

      同じ役でも持ち味の違う、愛希れいかさんが演じたら?ということは月組版では興味津津でしたが、明らかに違います。
      良い意味で!
      それを観られたことは嬉しいのですが、個人的には宙組版が全員で作り上げたバランスの良さを感じて好きでした(好みの問題?)

      ムラも10年ぐらい前はトップさんの退団公演でもフラッと当日券で観られました(汗)。
      今は大作でなくても難しいです。ってことは、劇団稼働率がいいのだから喜ぶべきことなのでしょうが、ファンは大変になってますよ(^^)

      新人公演をご覧になったら、またうみひこさんの感想も教えてくださいね(^^)
      お待ちしております。

  2. ちはるCLUB より:

    『エリザベート』まだチケットが取れてません。ファンクラブにお願いしてありますが、心細いものです。一般発売で買えたライブビューイングのチケットが何とか買えました。なぜ、売れ残ってるんだ?と思ったら月曜だったんですね。

    今回のキャスティングの違和感は紛れもなく「大人の事情」だと思います。
    ルキーニとフランツが逆ならばと美弥ファン以外の方も思っている筈。

    『歌劇』の対談で「ファンの方は美弥のルキーニが観たかった方も多いと思いますが、それについてどう思いますか?」と小池先生に訊かれ「フランツは私のイメージではないが〜挑戦」と「ルキーニじゃないこと」では無く「フランツを演じること」におきかえて美弥さんは答えています。

    『信長』の時の秀吉のようなものルキーニが観たかったと思います。2番手だし。

    風間さん、容姿は特に〜ですが演技に華があり、存在感がありますね。
    蘭世さん…、新人公演ではマダムヴォルフですよね?

    私は明日海、朝夏、東宝で井上芳雄、テレビで瀬名トートを観ました。
    この中では明日海トートが好きです。ルキーニは望海さん、フランツは北翔さんが好き。
    エリザベートは花総まりさんも観ましたが、誰もピンと来ません。今回、観劇出来て「ちゃぴが1番」になるでしょうか。

    ヴォルフの白雪さん、誰もが想定内ですね。妹さん、娘役かと思ったら男役の様ですね。途中で転向しそうなお姉さん似ですね。

    • すみれ子 より:

      ちはるCLUBさん

      いつもコメントをありがとうございます。
      キャスティングはもう大人の事情というのは、宝塚だけでなくつきものか・・・と思っていますが、逆に宝塚にはピラミッドシステムがある限り、
      キャスティングに制約もでるのだろうと思っています。

      星組で再演された「スカーレット・ピンパーネル」もそうですね、三番手さんに活躍の場がないのは????ってことで、ロベスピエールが格上げ
      とか。

      私は月組エリザはキャスティングの問題というより、トータルに観た時の作品の調和に違和感がありました。
      抜粋すると良い場面もあったのですが・・・、自分でもなぜかはわかりません。
      でも、一つ言えることは愛希れいかさんの魅力が光っていた、それだけですね。

      ちはるCLUBさんも観劇の機会がありますように!
      またご感想をお待ちしております。

      ありがとうございました。

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