真矢みき・宝塚の歴史に残る伝説の男役!『革命児』『異端児』と呼ばれた現役時代を振り返る

OG

真矢みきさんの舞台略歴

 

1981年3月 花組公演『宝塚春の踊り/ファーストラブ』 *初舞台公演
1983年10月 『紅葉愁情』/『メイフラワー』第2回新人公演:ジャック(本役:高汐巴) *新人公演初主演
1985年3月 『愛あれば命は永遠に』:小公子、新人公演:ナポレオン(本役:高汐巴) ※新人公演主演
1985年6月 『ジャパン・ファンタジー』/『ドリームズ・オブ・タカラヅカ』(第5回ハワイ公演)
1985年9月 『テンダー・グリーン』新人公演:ソーン(本役:高汐巴)/『アンドロジェニー』 ※新人公演主演
1986年7月 『真紅なる海に祈りを』新人公演:アントニー(本役:高汐巴)/『ヒーローズ』 ※新人公演主演
1987年2月 『遙かなる旅路の果てに』マイスキー少尉、新人公演:サビーニン(本役:高汐巴)/『ショー・アップ・ショー』 ※新人公演主演
1989年2月 『硬派・坂本竜馬!』坂本竜馬 *バウホール初主演
1992年1月 『ドニエプルの赤い罌粟』アレクサンドル *バウホール主演
1993年10月 『アップル・ツリー 〜三つの愛の物語〜』:アダム、バーバラ、エラ、パッショネラ *バウホール主演
―花組トップスターに就任―
1995年6月 『エデンの東』キャル・トラスク/『ダンディズム!』*トップお披露目公演
1995年9月 『紅はこべ』パーシー/『メガ・ヴィジョン』(全国ツアー)
1996年1月 『花は花なり』花吉/『ハイペリオン』
1996年6月 『ハウ・トゥー・サクシード』J.ピエルポント・フィンチ
1996年12月 『Ryoma 〜硬派・坂本竜馬!II〜』坂本竜馬(ドラマシティ公演)
1997年2月 『失われた楽園』アーサー・コクラン/『サザンクロス・レビュー』
1997年4月 『風と共に去りぬ』レット・バトラー(全国ツアー)
1997年8月 『ザッツ・レビュー』春風泰平
1997年10月 『ブルー・スワン』アレックス(バウホール公演)
1998年5月 『SPEAKEASY』マック・ザ・ナイフ/『スナイパー』 *退団公演
1998年7月 コンサート『MIKI in BUDOKAN』

 

ご自身では「劣等生」とおっしゃっている真矢みきさんですが、経歴を見てみれば「どこが劣等生!?」という華やかさ。

研3で新人公演の初主演に抜擢、合計5回も新公主演を務めていらっしゃいます。

 

新人公演を卒業した翌年にバウホールの初主演を果たし、男役スターの宝庫と言われている花組でとても順調にトップスターに上り詰めたと言ってもいいでしょう。

しかも、当時はスーパーダンサーが本当にたくさん在籍していた時代。

「宝塚のフレッド・アステア」と呼ばれた大浦みずき(おおうらみずき)さんや、のちに「ヤンミキコンビ」と呼ばれることになる安寿ミラ(あんじゅみら)さんもダンスの名手。

その中で、ダンサー枠ではなかった真矢みきさんがよく遜色ないレベルのダンスに引き上げてきたな~と驚きます。

 

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↓『ベルサイユのばら』の名物フィナーレナンバーで大浦みずきさんとデュエットダンス。みきさん、女役も素敵ですね~

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3番手、2番手と順調に番手を上げていきますが、特に2番手時代の「ヤンミキコンビ」時代は準トップという扱いと言ってもいいほど、安寿ミラさんと肩を並べた活躍を見せます。

 

↓男役同士の相性の良さがカナメになる『メランコリック・ジゴロ』はヤンミキの良さ全開!

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お2人の相性の良さというのもありますが、やはり下級生である真矢みきさんのことを懐深く受け止めたヤンさん(安寿ミラさん)の度量の大きさにも感動です。

お2人とも、花組の男役であることに誇りをもっていらっしゃることがよく伝わり、そんなところも愛された理由のように思いますね。

 

そして、阪神淡路大震災の直後に、ついにトップ就任となります。

 

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トップ就任当初はまだそれまでの宝塚文化を踏襲したスタイル。

特に、最も歴史が長い花組ですから、「古き良き」という要素は劇団からもファンからも求められていたと思います。

しかし、トップ就任期間の終盤は独自の路線をどんどん確立していった真矢みきさん。

「革命児」「異端児」と呼ばれる所以がここにあります。

 

真矢みきさんは、ダンサーでもシンガーでもなく、男役としては背も小さいほうでした。

正攻法で男役を追求するよりも、個性派路線で人気を確立。

独特のハスキーな発声法やキザな所作は絶妙に乙女心をときめかせるポイントを突いてきます。

坂本竜馬という既成概念をぶち壊すようなキザな竜馬像を見せたり、お芝居でも独自の「間」がありました。

 

真矢みきさんが起こした革命と言えば、まずメイク。

青いアイシャドーに真っ赤な口紅、という宝塚メイクに新風を巻き起こします。

「よりナチュラルな男性に」という趣旨か、色味の少ないメイクを発明。

斬新なメイクでファンを驚愕させます。

 

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↓こちらが古典的な宝塚メイク。お披露目公演の『ダンディズム!』より。

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↓退団1年前の公演『ブルー・スワン』での真矢さん。全然違う!たった2年でこの違い!

 

 

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この、「よりナチュラルに、でも美しく、かっこよく」というメイクは現代のヅカメイクにも通じる道筋をつけたのではないでしょうか。

太い眉、太いもみあげ、でも真っ青なアイシャドーに真っ赤な口紅で演じる男役は、一般の人にとってはなかなか入りにくい入口。

「みんな同じ顔に見える」「化粧が濃すぎて気持ち悪い」

真矢みきさんは、そんな入りづらさを少しでも減らし、ヅカファン人口を増やしたいという気持ちがあったように思います。

 

そしてメイク革命を起こしたあとは、男役なのに髪を伸ばすという、もう斬新すぎる試みに出ます(笑)

 

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↓髪をうしろで1本に結んでいます!しかも結構な長さ!

 

男役さんが役作りで長髪のカツラをつけることはありますが、「ロン毛の男役」だなんて…!!

特に黒燕尾を着る際には、リーゼントの形は非常に重要です。

なのに、リーゼントにならないロン毛とは…!

 

だってもとは女性なんですから、女性が髪を伸ばしたら普通は女性になるはずなんですが…

さすがにみきさんほど男役を研究していると髪を伸ばしたくらいでは男役のイメージは揺るぎません。

 

当然ながら当時は劇団から何かしらの注意があったはずです。

しかし、みきさんにはそれをねじ伏せるほどの人気がありました。

本当に多くのファンを「かっこいい~♡」と虜にしました。

 

その人気を裏付けるものとして、タカラジェンヌで史上初めて武道館ライブを実施、大成功をおさめます!

 

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↓つんく♂さんプロデュースの「MIKI in BUDOKAN」

maya miki 1998

 

宝塚ファンは、どんなに叫びだしたいほどときめいてもいつも劇場では静か~に観ているもの。

しかし、「コンサート」と銘打った公演では

「きゃああああ~!」

という黄色い声を出してもOK。

真矢みきさんはその文化を作ったパイオニアなのです。

 

男役が男性アーティストと同じように武道館でライブをするなんて、当時ではありえないことでした。

その後は、元星組トップスターの柚希礼音(ゆずきれおん)さんがその二人目として武道館でのコンサートを成功させています。

 

 

今や宝塚ファンにとって、武道館でライブを行うことは「レジェンドの証」。

日本武道館の収容人数は約14,000人。ちなみに、宝塚大劇場の座席は2,550席。

つまり、いっぺんに1万人以上もの人を集めるだけの集客力のあるスターさんということです。

果たして今後、3人目のスーパースターは現れるのでしょうか!

 

まだまだ真矢みきさんの伝説は終わりません。

今度は写真集の発売。

写真集ならたくさんのタカラジェンヌさんが出してるけど…

と思うでしょうが、カメラマンに篠山紀信さんを迎え、舞台メイクではなく普段化粧で「男」になりきった写真集というコンセプト。

 

一般的な「タカラジェンヌさんの写真集」とはまったく違います!

 

 

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↓ウソでしょ…!!ほぼすっぴんのお顔に髭ですよ、髭!!

 

 

 

さすが、宮沢りえさんを脱がしてしまった名カメラマン。

現地でみきさんと一緒に斬新すぎるアイデアをどんどん出して撮影していったことが想像できます。

 

メイクの革新、ロン毛、コンサート、写真集…

もうここまで独走態勢に入ると、怖いものなし。

「真矢みきイズム」を完全に確立させ、この斬新すぎる試みの数々に「次は一体何をしてくれるの…?!」という期待感すらありました。

 

このとんでもない個性の確立は、当時花組に在籍していた下級生たちにもかなりの影響を与えたのではないでしょうか。

 

 

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↓ここに写っていらっしゃる真矢みきさん以外の男役さんは3人ものちのトップに!花組は本当に男役の宝庫でした。

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↓↓3.現役時代、実は病気だった…意外な真矢みきさんの素顔

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