『ファントム』での注目ポイントはここ!
さて、まずは脇役の中でも重要な2役をご紹介しましたが、主要人物でも「この役をここを見て!」というポイントがあります。
『ファントム』クリスティーヌとベラドーヴァの聖母性
『ファントム』は、実はかなり宗教色の強い作品と言えます。
その宗教とはもちろんキリスト教。
しかしキリスト教といっても、非常に多くの宗派があります。
その中でも日本人にとってメジャーなカテゴリーは、カトリックとプロテスタント。
ちなみに日本では多くのキリスト教徒がプロテスタントです。
近所にある教会って、ヨーロッパのような美術品に溢れた超豪華な教会ではなく、十字架が架かっているだけの割とシンプルな作りですよね?
それがプロテスタントの証拠です。
カトリックとプロテスタントでは他にもたーーーーーくさんの違いが違いがあるんですがここでは割愛(;^ω^)
カトリックの世界観では、イエス・キリストよりも実は聖母マリアへの信仰のほうが強いほど、マリア様の神格化が根強いと言えます。
日本におけるキリスト教はプロテスタントが主流なのでキリスト信仰ですが、ヨーロッパは今もカトリックが多い地域です。もちろんフランスも。
オペラ座はパリ。しかも時代は1905年ですから、敬虔なカトリック教徒の多い時代です。
やはりこの『ファントム』でも、背景には「聖母マリア信仰」という強いテーマ性が見て取れます。
ベラドーヴァと少年エリックが歌う曲にも「マリア様 お救いください」とあります。
その聖母を表しているのが、エリックの母・ベラドーヴァと、ヒロイン・クリスティーヌではないでしょうか。
エリックがクリスティーヌに強く惹かれるのも、その澄んだ歌声に加えて母によく似た純真性を見たからだと思います。
純真性・純潔性などを表すマリア様。
宝塚の娘役さんたちも皆さんそのような純真性や清楚なイメージを大切にされています。
このクリスティーヌとベラドーヴァは、さらに、もっともっと、透けて向こうが見えてしまうほどの(笑)穢れのない声・姿を表現しなくてはなりません。
そこが両役にとっての最も大切な部分のように思います。
真彩希帆さん?朝月希和さん?絶対大丈夫でしょうね!!
『ファントム』超・難役!キャリエールのハードルの高さ
他の宝塚作品との大きな違いは、2番手さんがトップさんの父親役を務めるということ。
宝塚は基本的には2番手さんのほうが若い学年ですので、かなり珍しい配役と言えます。
つまり、2番手さんはトップさんを包み込むような大きさと落ち着き、渋さを見せなくてはなりません。
お髭をたくわえたダンディーな外見ですし、その2番手さんがこれまでに2番手位置で演じてきた役とはだいぶ異なると思います。
キャリエールは、今も大人になりきれない、中2病真っ只中の息子を温かく見守ります。
詩集を読みながら地下でピクニックごっこなんて…まさに中2病(;^ω^)
キャリエールのどの台詞もどの行動も、根底にはエリックへの深い愛と罪悪感があります。
窮地に陥ったクリスティーヌを助けようと地下に連れ去ったエリック。
「ここはどこなの…?」と戸惑うクリスティーヌをキャリエールが優しく助けるのも、キャリエールのエリックに対する愛と罪悪感から来るものだと思います。
そういうものをお芝居の最初から最後まですべての台詞と所作に込めなくてはならない、とても難しい役がキャリエールだと言えますね。
おおぅ…、キャリエール…。
壮さん史上、最大級の大人の魅力…! pic.twitter.com/Pbs1xqRma4— decoco (@dekoboko_decoco) 2014年11月16日
今回キャリエールを演じる彩風咲奈(あやかぜさきな)さんは可愛らしいイメージの強い2番手さんですので、渋いキャリエールをどのように演じてくれるのでしょうか!
難しい歌もたくさんあるのでガンバレ~!!!
『ファントム』の最大の見せ場は?
では、最後に『ファントム』という作品はこの場面にすべてかかっている!というほどの最重要場面について。
『ファントム』をご覧になったことのある方ならもう「あそこでしょ~」とお分かりになりますよね。
そう、最後のエリックとキャリエールの銀橋の場面です。
あれはもう…涙なしには観られません…(´;ω;`)
観たことのある方なら、あのイントロを聴いただけでブワァァッと一気にダム崩壊です。
エリックとキャリエールが長年胸に秘めていた想いをお互いに打ち明ける、大感動シーン。
初演は樹里咲穂(じゅりさきほ)さん、再演は彩吹真央(あやぶきまお)さんという、超ウルトラスーパーシンガーのお2人。
2011年花組ではエリックが蘭寿とむ(らんじゅとむ)さん&キャリエールが壮 一帆(そうかずほ)さんという同期ならではの名コンビネーションでした。
今回の彩風咲奈さんはシンガーという立ち位置でもないですし、キャリエールのイメージとも少し違う個性の持ち主。
そこをどうやって超ウルトラスーパーシンガーである望海風斗さんに引っ張って行ってもらうのか、大注目です!
以下、動画がありますが、ネタバレNG!という方はスルーしてくださいね。
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓ ネタバレ注意 ↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
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ああ…やっぱりまた泣いてしまった……( ノД`)
『ファントム』再演が続く理由も納得の名作
今回で4度目の上演となる『ファントム』。
ノル香は初演と2度目の再演を観ています。
特に2度目の2006年花組は、春野寿美礼(はるのすみれ)さんと彩吹真央さんという、超絶ウルトラスペシャルスーパーエキスパートシンガーのお2人だったので…それはそれはもう…
ちなみに樹里咲穂さんのサヨナラショーで、春野エリックと樹里キャリエールの銀橋シーンが観られたことは、ノル香の中での宝塚名場面ベスト3に入ります!
あのときは春野さん&樹里さん&彩吹さんという超絶ウルトラ…(もういい)シンガーが3人もいたなんて…すごい時代です、ほんとに。
なので、『ファントム』にはかなりの思い入れもありますし、同時に厳しい目を持っているほうだと自覚しています。
クリスティーヌに関しては、これまでに花總まり(はなふさまり)さん以降(新人公演除く)しっくりきた配役を観ていないので、今回の真彩希帆さんにはもう本当に
「キターーーーーー―!!!!」
という気持ちでしかなかったですヽ(^o^)丿
ちょっとチケットの行方がまだ定かになっていないので(泣)、さいあくライブビューイングでも…!と思っています。
今回で初見の皆さんもきっと「これは人気作のはずだわ!」と思っていただけるはず!
ハンカチドロドロになるほど、もう好きなだけ大号泣してきちゃってください!
↓↓【追記関連記事】観劇感想レポ・2018/11/24
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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