宝塚雪組の『私立探偵ケイレブ・ハント』早霧せいなと若手スター

観劇レポ

『私立探偵ケイレブ・ハント』の早霧せいな

トップ就任以降の早霧 せいな(さぎり せいな)さんは『ルパン三世』『流浪に剣心』では完全にヒーローで、熱くて一本気なのが魅力でしたが、観客が一番リアルな存在に感じられる役は今回のケイレブ・ハントかもしれません。

宝塚の男役で着こなしが最も難しいと言われるスーツ姿(特にレザースーツが素敵!)がバッチリ。職業は探偵。数十年前のアメリカならば普通にいてもおかしくないような男性を、さらっと演じて男前です。

チギさん(早霧)の意外な一面を見たと思ったのが今回のケイレブでした。

時代設定は20世紀半ば。セリフの中に「ノルマンディー作戦に参加して・・・」とありましたので、第二次世界大戦から帰還兵だとわかりますが、この「ノルマンディー」で彼は心に傷も負っているように想像できます。

ナイジェル(香稜しずる)にノルマンディーで助けられた恩を忘れず、それゆえに他人の危機に危険を顧みずに関わってしまう人情あり、また友を気遣い、恋人を思う気持ちも強く・・・、でもヒーロではないんですよね、今回は。

内面の熱さはあるんだろう、でもそういうものを表に出さない、表面は淡々とクールに、そして心の機微も感じるオットコマエのチギさん(早霧)、新しい魅力でした。

 

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(出典:http://www.asahi.com/)

 




 

『私立探偵ケイレブ・ハント』の咲妃みゆ

スタイリストとして自立した大人な女性、イヴォンヌ。これも咲妃みゆさんが今までに演じてきた役柄と少し異なりますね。

恋愛と言うより、ケイレブを結婚相手として考える中で、探偵と云う職業に不安を感じていたり、自分の仕事のことも悩む、現代女性に共通する悩みを抱えています。ケイレブを好きだけど、好きだけでは結婚はできないよね・・・みたいな。

そういう感情が一気にはじけて、ラストで「私にはこの人しかいない!」的にパリ行きの飛行機に乗らずにケイレブに抱きつくシーンが、淡々と進んできたストーリーを一気に開花させてハッピーエンドの喜びを客席に感じさせる一瞬でした。

 

『私立探偵ケイレブ・ハント』の望海風斗

雪組二番手として敵役が多かったので、ちょっと意外な配役でした。

頭脳明晰な探偵で、ケイレブとは事務所の共同経営者。物腰よく丁寧な、仲間の面倒見も良い、大きな苦労なく今の職についたイメージ。

望海風斗さん = 敵役 のイメージが払拭されて新鮮でした。

白いイメージの望海風斗さんもいい感じ。やっぱりトップになった姿を見たいものです。

 




 

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(出典:http://spice.eplus.jp/)

『私立探偵ケイレブ・ハント』の月城かなた

前述のマックスアクターズプロモーションのボスで、「悪」な存在の月城 かなたさんが物語の中盤から登場ですが、存在感があり、美味しい役を演じています。今までなら「雪組なら当然望海風斗さんが演じていた役所ですね。

若手として注目され始め、新人公演主演、バウ主演が続きましたが、こういう敵役は初めて? まだ「期待の新人」ぐらいに思っていたら、気がつけばもう研8。

すでに月組への組み替えも決まっていますが、珠城りょうさん率いる月組でも大きな戦力となる力を感じました。

 

↓↓ 3. その他の男役さん、娘役さん達

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