紅ゆずるのパーシー
非常に現代にマッチするスタイリッシュなパーシーでした。
ネットでの批評を見ていると、賛否両論。
歌があれれ・・・とも評されています。
でもよくぞここまで成長したね! というぐらい、8年前の『スカーレットピンパーネル』初演の新人公演からぐんぐん頭角を現してきた紅さん。
紅ゆずるの舞台人としての誰にもない個性といえば、あの関西人の気取らない、しかしマネのできないキャラであり、歌やダンスでのテクニック面は他者と比較すると、あれれ・・・であっても、5組ある宝塚の中でこんなにもユニークなキャラクターのスターがあっても良い、いやいるべきだと思います。
観客へのサービス精神旺盛なゆえにややもすると脱線しがちなコメディーシーンも、トップスターとしてどうあるべきかを踏まえた上で、日々工夫を凝らしつつ、礼真琴ショーブランへ投げていました。
これを同じく生粋の星組っ子として苦楽を共にしてきた礼真琴さんだからこそ、呼吸よく投げ返す余裕があり、楽しむことができました。
『スカーレットピンパーネル』は基本的には冒険活劇だと、管理人・すみれ子は考えています。
でもその中に
夫婦の愛
仲間との友情
国を想う気持ち
たくさんの要素が盛り込まれている作品です。
まだ芝居前半の夫婦の愛、妻への疑惑を抱くパーシーの芝居はどこか表面的に感じられましたが、冒険活劇部分に突入したあたりから、紅さん本領発揮ね! とぐんぐんと芝居が面白くなって舞台にひきづりこまれていきました。
初演の安蘭けいさんと比較はできませんが、紅さんらしい爽やかさと頭の良さが発揮されて、2017年の今の星組の熱いパワー感じられる作品に仕上がっていたのは、紅ゆずるが真ん中に立ち、星組生を引っ張ると共に、彼女達に慕われ支えられているからこそと思うにいたりました。
礼真琴・ショーブラン
礼真琴(れいまこと)さんは初演当時は宝塚音楽学校の本科生。
その当時『スカピン』を何度も観劇し、初代ショーブランの柚希礼音(ゆずきれおん)さんを尊敬し憧れていた話は有名ですね。
憧れの先輩と同じ役を演じることは、とても嬉しい反面、非常にプレッシャーだったことでしょう。
しかし長身の柚希礼音さんと、男役の中では小柄なタイプで、持ち味も全く違う礼真琴さん。
それはご本人が一番自覚しているはずですが、歌えて、踊れて、芝居もできる人ながら、芝居の群衆シーンで、礼真琴さんを発見できない・・・。
いや私が悪いのかな? ですが、照明が暗く、黒っぽい衣装の人が多い中で、同じく黒い衣装のまこっちゃん(礼)。
欲を言えば、ビジュアル面(例えば衣装とか・・・)での存在感を示す何がしかの工夫が欲しかったです。
↓↓ショーブラン・礼真琴
(出典:http://sanzo.blog.jp/)
この人は頭脳明晰で紅パーシーから投げかけられたボールを即返すだけの余裕さえあり、楽しませてくれる存在でしたが、もともとショーブランを演じるタイプの役者ではないのでしょう。
二番手というポジション上は、礼真琴=ショーブランは順当な配役ですが、その点での苦労があったでしょうね。
↓↓ 3.綺咲愛里・マルグリット / 七海ひろき・ロベスピエール / ピンパーネル団
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