宝塚歌劇団は、まず宝塚音楽学校の入学の時から常に成績がつきまとう世界であることは有名です。
音楽学校入学時からずっと残る席次を細かく書いていくと・・・・
1.宝塚音楽学校入学時
2.音楽学校予科(1年目)終了
3.本科(2年目)= 宝塚歌劇団入団時の 席次
そして、入団後も研究科1年目(研1)から研究科5年(研5)までは試験があり、研5の試験が最終試験の成績として、そのまま将来にわたってついて回ります。
今の世の中、こんなに成績が人生について回る所はありません。
そんな宝塚の世界で一つのジンクスがありました。
それは「宝塚歌劇団主席入団者は(男役)トップスターへなれない」
言い換えると音楽学校卒業時に主席であれば、劇団へ主席入団となるわけです。
しかし・・・
何故かそういう成績優秀な生徒さんがトップスターになれないと言われていた時代がありました。TOP
その長きにわたってささやかれていたジンクス。
それを破ってトップスターになった生徒さん。
それはどなたでしょう?
この記事では「首席入団者はトップスターになれない」と言われていた理由、そしてそのジンクスを打ち破り、トップスターになった生徒さんを紹介していきます。
75期(1989年初舞台)〜102期(2016年初舞台) 首席入団者
75期 | 伊織直加 |
76期 | 純名里沙 |
77期 | 安蘭けい |
78期 | 眉月凰 |
79期 | 未来優希 |
80期 | 霧矢大夢 |
81期 | 舞風りら |
82期 | 蘭寿とむ |
83期 | 天勢いづる |
84期 | 仙堂花歩 |
85期 | 美鳳あや |
86期 | 彩海早矢 |
87期 | 瑠音舞佳 |
88期 | 大凪真生 |
89期 | 凪七瑠海 |
90期 | 芽吹幸奈 |
91期 | 天寿光希 |
92期 | 百千糸 |
93期 | 彩風咲奈 |
94期 | 仙名彩世 |
95期 | 礼真琴 |
96期 | 夢華あみ |
97期 | 留依蒔世 |
98期 | 暁千星 |
99期 | 美園さくら |
100期 | 蘭尚樹 |
101期 | 鷹翔千空 |
102期 | 舞空瞳 |
◼︎トップ男役 ◼︎トップ娘役
ジンクスの理由
汀夏子(みぎわなつこ)さん。
上記の表にはありませんが、1964年宝塚音楽学校を卒業。
50期生として首席入団したのが、汀 夏 子さんでした。
その汀夏子さんが首席入団されて以降、長らく首席入団でトップスターになった生徒さんがいませんでした。
それが「首席入団者はトップスターになれない」というジンクスが生まれた理由です。
(出典p.twipple.jp)
宝塚音楽学校を首席で卒業する= 宝塚歌劇団へ首席入学。
そこで一つの頂点を極めているわけです。
一歩抜きん出ているがために、伸び悩みがあったり、頭打ち状態になったり、本人もジレンマを感じモチベーションを継続しがたくなってしまうのかもしれません。
難関を突破して音楽学校へ入り精鋭達の中で首席になったとしても、タカラジェンヌといえど人です。
しかもまだまだ若い女子なので、そんな壁にぶちあたるのでしょうか?
理由はわかりませんが、首席であったための壁というのは存在するかもしれませんね。
「首席入団はトップになれない」ジンクスを破った人
「首席入団者はトップスターになれない」
そのジンクスを破ったのは 安蘭 けい(あらん けい)さんでした。
1991年、第77期生として宝塚歌劇団に首席入団。
当初から注目を浴び新人公演の主演やバウ主演を経験しながらもトップへの道がなかなか開けませんでした。
やはり「首席入団しゃはトップスターになれない一人?」
安蘭けいさんもそう言われていました。
しかし・・・
入団16年目にして星組トップスターに就任。
(出典:http://ticket-news.pia.jp/)
長く囁かれていたジンクスを破った人でした。
歌唱力に長け、日本初演の『スカーレット・ピンパーネル』の成功は安蘭けいの存在があったからこそと言われています。
首席入団でトップになった人は他にいる?
以降は・・・
- 80期の霧矢大夢(きりやひろむ)さん
- 82期の蘭寿とむ(らんじゅとむ)さん
が安蘭けいさんに続いて首席で入団されました。
特に蘭寿とむさんは、1994年宝塚音楽学校入学試験は過去最高の入試倍率48.25倍の中、首席で入学、予科(1年目)を首席で終了。
そして首席での卒業。
その座を譲らなかった逸材と言われました。
霧矢大夢さんは病気休演があったり、決して順風満帆な宝塚人生ではなかったはずです。
それを乗り越えてのトップ就任でした。
(出典:http://ticket-news.pia.jp/)
また、蘭寿とむさんも研16でのトップ就任と結果的には遅咲きの花となっています。
(出典:http://tweez.net/)
逆に音楽学校時代の成績がさほど良くなくてもトップスターになる人もいますから、成績がすべてではないのが舞台の世界なのでしょう。
あの天海祐希(あまみゆうき)さんは音楽学校入学では首席でしたが、宝塚歌劇団入団時は26番(73期)。
真矢みき(まやみき)さんは入団時の成績は21番(67期生)
首席入団のトップ娘役は?
「首席入団がトップになれない」ジンクスは男役に限って囁かれていたのかもしれません。
75期以降では、79期生で娘役トップになった純名里沙(じゅんなりさ)さんは。
1990年に初舞台の『ベルサイユのばら』抜群の歌唱力をかわれて、フィナーレに初舞台生にしてエトワールという大抜擢をされました
以後も研2年で新人公演のヒロインに抜擢されたり注目の人でしたが、在団のままNHKの朝の連続テレビ小説にヒロインとして出演し、一般に向けて宝塚の認知度を上げ活躍されました。

(出典:http://blogs.yahoo.co.jp/)
ジンクスが全く当てはまらない人といえますね。
舞風りら(まいかぜりら)さんも研2で新人公演に抜擢されて早くから活躍された人でした。
(出典:http://prcm.jp/)
今後のトップスターは?
今後、首席入団者がトップスターになる可能性は? といえば、在団中の89期以降の生徒さんすべてにあるのですが、独断と偏見で候補を考えてみます。
89期 凪七 瑠海(なぎな るうみ)
月組から専科へ移動しましたが、今の専科の扱いから言えば北翔海莉さんのトップスターへの返り咲き就任のれいがあるので、まだ期待できるところです。

94期 仙名 彩世(せんな あやせ)
エトワールやバウホール、ドラマシティでのヒロイン経験もあり(新人公演ヒロイン経験はなし)ですでに研9ながら、もともと歌唱力に優れ、最近では芝居の力もメキメキついていることからトップ娘役を十分務められる資質はあります。
(出典:http://ticketcamp.net/)
↓↓【追記】2017年に花組トップ娘役に就任!

95期 礼 真琴(れい まこと)
時期星組、紅ゆずるさんのもとでの二番手確定らしき予想があるので(「スカーレットピンパーネル」のショーブラン役が発表済み)、これまでの新人公演主演、バウやドラマシティの主演も経験済みのことから、トップへの道はほぼ確定と言えるでしょう。

97期 留依蒔世(るいまきせ)
歌に定評があり、新人公演の主演はまだ未経験ですが、『エリザベート』でフランツ・ヨーゼフを演じている点で可能性大。
2015年『王家に捧ぐ歌』から怪我による休演が続いたことで最終試験である研5の試験で最下位に席次を落としたことが少し現状に響いている可能性はあります。

98期 暁千星(あかつきちせい)
下級生の頃から注目され、新人公演の主演の経験もありスター路線。トップの可能性は大きいです。

101期 鷹翔千空(たかと ちあき)
まだ研2ゆえに未知数ですが、2016年の阪急電鉄の初詣ポスターモデルに起用されたこと(このポスター起用はスター路線を意味するポイント)、『エリザベート -愛と死の輪舞 -』新人公演でルドルフを演じたことで、劇団オシのようです。まだ未知数。
↓↓【追加記事】新人公演主演決定

まとめ
OGジェンヌさんの中には、音楽学校での成績がよくなかったことを、TV番組の中で告白していらっしゃる方がいますね。
昔のトップさんでは鳳蘭(おおとりらん)さんも「最後から2番目だったのよ、私」なんておっしゃっています。
また、真琴つばさ(まことつばさ)さん、檀れい(だんれい)さんも「成績は良くなかった」ことを公に話しているOGジェンヌさんですね。
そして現在のトップ男役さん達は・・・
- 花組・明日海りおさん 49人中8番
- 月組・珠城りょうさん 18番
- 雪組・早霧せいなさん 19番
- 星組・北翔海莉さん 音楽学校入学時は最下位、歌劇団入団時39人中10番
- 次期星組トップ内定の紅ゆずるさん 成績は48人中47番
- 宙組・朝夏まなとさん、48人中10番
最近劇団は、成績偏重主義になっていないかなぁ? と思っていましたが、意外にそうでもないのかも?
卒業時には真ん中から少し上ぐらいの成績の方もいらっしゃいますね。
また逆に首席入団しながらも、下級生時代に注目を浴びながらも何らかの理由で早くに退団する生徒さんも少なくないありません。
無事に宝塚歌劇団に入団しても、研1(1年目)、研3、研5の終了時に、試験があります。
卒業時に成績が振るわずとも、レッスンに励んで入団後に実力をつければ、上述の試験で優秀な成績を手にして伸びていく生徒さんもいるのでしょう。
「宝塚歌劇団主席入団者は(男役)トップスターへなれない」
このジンクス、必ずしも当たっているわけではないようですが、モチベーションを維持して走り続けることの難しさを物語っているようです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
コメント
昭和末期からヅカファンの者です。
以前は、首席はトップスターになれない、と言われていました。
安蘭けいがトップになった前となると、おそらく汀夏子まで遡らなければならないはずです。
(娘役はこの限りにあらず)
安蘭けいもトップスターになれたのはギリギリでしたし、
霧矢大夢、蘭寿とむもかなりの遅咲きでしたよね。
なぜ首席を路線に乗せないの?ではなく、その逆で、
路線に乗せる予定の生徒は卒業時に一番にはさせない、
と言われていました。
これは一番委員には仕事が多いため、
早くから役がつく子には負担が大きくなるからだそうです。
研一の試験以後は役付きが成績に比例しますから、
だいたい、最終試験の一番は路線の生徒が取っています。
轟悠、天海祐希、花總まり、など。
成績に実力よりも路線が優先されるのが、以前の宝塚でした。
小川理事になって多少は変わりつつあるようですね。