昨日、8月18日は宙組公演『神々の土地』『クラシカル ビジュー』の初日でした。
帝政ロシアの終焉を時代背景として史実を元に描かれる上田久美子氏の脚・演出の『神々の土地』と稲葉太地氏によるショー『クラシカル ビジュー』は宙組トップスター・朝夏まなと(あさかまなと)さんの退団公演。
相手役だった実咲凜音(みさきりおん)さんが今年4月に一足早く退団したため、トップ娘役不在という体制で迎えたまぁ様(朝夏)退団公演。
この記事では『神々の土地』の作品としての魅力と、朝夏まなとというトップスターについて語っていきたいと思います。
『神々の土地』の作品としての魅力
派手な盛り上がりはないものの、観劇後に心に染み入るものがじんわりと残る作品でした。
上田久美子作品にハズレなし!
そう言われているだけのことはあります。
台詞と台詞の間に漂う言葉にならない想いが舞台に漂い、それが登場人物達の想いの切なさを一層募らせている佳作でした。
そういう点は過去の『翼ある人びと』、『星逢一夜』『金色の砂漠』にも通じるところがあります。
『神々の土地』ではロシアの凍てつくような光景が舞台上で再現されていますが、客席までその冷気が漂ってくるような錯覚に襲われたり、これほど空気感や間で表現された作品を書ける脚・演出家は今の宝塚で上田先生の右に出る人はいないでしょう。
帝政ロシアの終焉が背景であることから、ロシア革命やラスプーチン暗殺事件は容易に想像できますね。
なんだか血生臭く、暗い作品を想像しながら劇場へ足を運びました。
しかし観劇後は、人が生きることの悲しさや切なさ、愚かさを改めて感じつつも、決して暗く重い作品ではありませんでした。
これは主演の朝夏まなとさんの素の持ち味が、明るく、爽やかで、懐深いトップスターであることが大きく影響していることでしょう。
まぁ様が演じるとやや影のある男性も、重くなりすぎず、どこかに前向きな力を感じます。
【#宝塚歌劇団】#宙組 トップ #朝夏まなと、サヨナラ公演開幕…ヒーローの「光と影」を高い歌唱力とダンスで演じる – 産経ニュース https://t.co/pI0yQD0Zu9 @SankeiNews_WESTさんから #神々の土地 #クラシカルビジュー pic.twitter.com/AglufFliSO
— 産経ニュースWEST (@SankeiNews_WEST) 2017年8月18日
そして愛する人への心を残しながらも、帝政ロシアの皇族で軍人という自分の置かれた運命(定め)と正義を貫き、ロシアを旅立つ姿は、理想の男としてキリリと美しい潔さがありました。
また男の友情なのか?友人として存在する真風涼帆(まかぜすずほ)さん演じるフェリックス・ユスポフは、時にはクスッと笑いを誘うような存在で緊迫する場面での和み的存在。
まぁ様演じるドミトリー・パブロヴィチ・ロマノフが心寄せるイリナを演じる伶美うらら(れいみうらら)さんも、「この役で退団することを決心した」という言葉通り、伶美うららの集大成的なヒロインです。
主要な役どころである皇女オリガの星風まどか(ほしかぜまどか)さんも、可愛らしい皇女であるだけでなく、芯の通った女性を演じていました。
ラスプーチン役の愛月ひかる(あいづきひかる)さんも、また一皮向けた進化があり、主要登場人物と共に絶妙な配役で作り上げられた作品です。
↓↓衝撃の?ラスプーチン
神々の土地その③ これは愛ちゃん??? pic.twitter.com/V5X1oVYUzs
— 今年は本厄…あんころもち (@rkotsuo) 2017年8月19日
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