月組・新トップ珠城りょう『グランドホテル』観劇感想@大劇場

月組

珠城りょうのガイゲルン男爵

多額の借金を抱えながらグランドホテルに滞在中の男。

舞台背景となるのは1928年のベルリンですが、

当時のヨーロッパには貴族として一見優雅な生活を送っていそうで、

実際は借金で首が回らない人達がどうやらたくさんいたようです。

 

珠城りょうさん演じるフェリックス・フォン・ガイゲルン男爵もそういう貴族の一人です。

しかし根が善人なのでしょう、

ジゴロにもなりきれず、

グルーシンスカヤの部屋に盗みに入ったにもかかわらず、

恋に落ちて

「盗みに入ったこと」すら自ら告白してしていまい、

自分が株取引のアドバイスをしたことで大金を手に入れたオットーから盗んだ金も

オットーの困り果てた様子に

「預かっていた」と返してしまう・・・。

 

最後はプライジングから逃れたいフラムシェンを救うために

プライジングに誤って銃で撃たれる。

 

愛する人、グルーシンスカヤと待ち合わせていたにもかかわらず・・・・。

 

そんな悪なのに悪になりきれず、

育ちの良さなのか純粋な心を持つフェリックス・フォン・ガイゲルン男爵。

 




 

生粋の月組っ子として成長し、

外見はがっしりとした骨太な男役の印象でありながら、

繊細さを内に秘めている珠城りょうさんとフェリックス・フォン・ガイゲルン男爵が

非常にマッチした演技でした。
男役10年と言われる中で、まだ研9の若いトップさん。

まだ未熟なところは多く見受けられますが、

根っこに素直さが感じられるところに好感が持てて、

これからさままなことを吸収してより大きくなっていく可能性を感じました。

 

↓↓フェリックス・珠城りょうさん

(出典:https://twitter.com/

 

フェリックスはずっと金のライターを使っていますが、

(左手に持っているのがその金のライター)

この小道具も未来に何がしかのストーリーを刻みそうな人つになるので

注目です。

 

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愛希れいかのグルーシンスカヤ

前月組トップスター・龍真咲(りゅうまさき)さんの相手役としてトップ娘役に就任して、今年で5年目。

数々のヒロインを務めてきましたが、

40歳(より上?)と思われる年齢の女性を演じるのは初めてでしょう。

でも抜群の演技力です。

歌う声すらかなりの年齢を感じさせ、いつもの愛希れいかさんとは違います。

 

↓↓グルーシンスカヤの愛希れいかさん

(出典:https://twitter.com/

 

しかし自分よりはるかに若いフェリックスに愛を告白されて、

みなぎるようなパワーを発し、ウキウキと可愛い少女のような表情をするあたりは、

恋の心情がストレートに伝わってきました。

 

幼い頃からバレエを習っていたというちゃぴ(愛希)は、

引退寸前のバレリーナという役でトウシューズでバレエを踊るあたりも

非常に美しいです。

今のちゃぴにとって最高の役でした。

 

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