『A Fairy Tale -青い薔薇の精-』の持つ植田景子の世界
『A Fairy Tale』は女性作家・植田景子先生だからこそ描ける世界観があります。
今までにも植田先生の作品には「弱者への愛」を感じたことがありましたが、大仰にそれを表現するのではなく、観劇後にどこかなにかへの「愛」を感じるのですね。
『A Fairy Tale』では、感性豊かな幼少期の少女(シャーロット)が妖精(薔薇の精エリュ)と出会いと彼との交流のほのぼのとして描写。
「『A Fairy Tale』が教えてくれたピュアな心で生きるむずかしさ」に書いた通り、大人に成長していくことでピュアな心を捨てきれないがために、現実世界でもがき苦しむシャーロット。
これらはすべて植田景子先生自身の心の中にあるモノじゃないかなぁ?
・・・なんて、憶測も良いところですが、想像が想像を呼んであれこれと考えていまいました。
(以下はかなーりネタバレになりますが・・・)
『A Fairy Tale』のシャーロットは、幼い頃のエリュとの交流を絵本として発表することで、自分の本来の世界を広げていきます。
(当時は女性の地位は低かったので男性の名前を使って発表していました)
そんなシャーロットの中に、私的にはヅカファンの本質をかいまみたように思いました。
ヅカファンはタカラジェンヌという妖精が魅せてくれる夢の舞台へ、のめり込むように浸ることで、自分の中にある若い日々のピュアな気持ちと現実社会の厳しさのあつれきのバランスをとっている?
そしてそのヅカファンの本質を理解し、またご自身も強い宝塚愛のある植田景子先生だから、非現実的であり宝塚らしいロマンティックな世界で・・・
- 文明による利便性の追求、結果人間が失うものの大きさを背景に感じる
- 子供時代のピュアな心で生きるむずかしさ、反対にその大切さ
こんなモノをさりげなく示してくれたんじゃないかな?
と思っています。
あくまで個人的見解というか、かなり想像と妄想ですが。
『A Fairy Tale』の舞台・衣装の美しさ
今回の『A Fairy Tale -青い薔薇の精-』『シャルム!』は長きにわたって明日海りおさんがイメージキャラクターを務めてきた、三井住友VISAカード が協賛です。
・・・という訳で舞台装置も衣装も豪華で美しい!
良い目の保養(^^)
↓↓薔薇の精エリュの衣装、見事でしょう?もちろんみりおさんのビジュアルにマッチするのはもちろんですが、丁寧な作りに驚かされます。
『A Fairy Tale 』は吊物でバラが咲き乱れる庭園と廃園を表現したり、スピーディーでテンポがあるために集中力をかきません。
またものすごーーーーい数のバラが描かれているというより、取り付けられている?
立体的で作りがすばらしかったです。
10月からの公演ではチケット代が値上げされますが、その理由の一つに宝塚歌劇団は「舞台の演出にかかる費用」をあげていましたね。
値上げはつらい・・・(本音)。
でも集中して夢の世界に入り込んで楽しませてもらえるならば、それも良し!としなければ・・・なんて思ってしまいました。
衣装で代表されるのは、やはり明日海りおさんの青いばらの精の、動きに表情のある作り込み、グラデーションの美しさが目にとまりました。
舞台、衣装ともに、宝塚は外注なしの社内製造だから、こんな見事なものができるのでしょうね。
(出演者よし、ストーリーよしでも、舞台がチャチでは夢が観られませんからね・・ ^^;)
↓↓ラストシーン。吊物のバラが見事なことがよくわかるのでは?
『A Fairy Tale 』の出演者達
『A Fairy Tale 』で子供時代のシャーロット(都姫 ここ)と白い薔薇の精(聖乃あすか)が、ほのぼのとしていい雰囲気だと目がとまりましたが、この二人が新人公演主演コンビだと、観劇後に知りました。
ほんと・・・花組だけではないですが、若いスターが育ってきてるんですね〜。
次期トップスターの柚香光(ゆずかれい)さんは、すっきりとした学者らしい青年。
やや屈折した役どころも多かっただけに、とても新鮮でした。
活躍の場は少なかったですが、水美舞斗(みなみまいと)さんも暖かさを感じる人物像(ウィングフィールドの庭師)を好演。
瀬戸かずやさんについてはここまでに書いた通りですが、花組芝居を引き締めるのになくてはならないスターですね。
あと・・・私はシャーロットの夫となる羽立 光来(はりゅう みつき)さんの芝居のうまさにもひかれます。
娘役では今作で明日海りおさんと同時退団の芽吹 幸奈(めぶき ゆきな)さん、乙羽 映見(おとはね えみ)の城妃 美伶(しろきみれい)さんの存在感はさすが・・・!とうなるものがありました。
この公演はビッグスター・明日海りおさんの退団公演ということで、超チケット難という風の噂も聞こえています。
私は今回「へぇ〜!」と驚くべき(?)宝塚友の会の抽選でチケットを手にすることができました。
拙い観劇感想ではありますが、これは・・・観たからにはブログに書かなきゃ!と『A Fairy Tale 』の感想を綴ってみました。
花組宝塚大劇場公演 三井住友VISAカード シアター Musical『A Fairy Tale -青い薔薇の精ー』/レヴューロマン『シャルム!』【Blu-ray】 [ 明日海りお ] 価格:10,800円 |
↓↓【関連記事】ショー『シャルム』の観劇感想はこちらからどうぞ!
まったく私的なポイントでの観劇ではありますが、最後までお読みいただきありがとうございました。
コメント
私もムラのチケットが取れたので、観られます!
ちはるCLUBさん
楽しんで来てくださいね。