新人公演中止だけじゃないコロナ渦の東京『はいからさん』から探る若手の課題と問題点

宝塚コラム

宝塚では公演ごとに若手育成のために「新人公演」が実施されていますが、コロナ感染拡大防止のために

  • 新人公演の実施を見合わせる
  • 舞台上の出演者の人数を制限する

以上の体制で上演されるようになりましたね。

当然ながら人数制限で舞台に立つ機会が少なくなるのは下級生たち。

ファンとしては若手さんが経験を積む機会が減っていることが気になりますね

 

\この記事のポイント/

  • 東京公演はが前半、後半で出演者を入れ替える理由
  • 出演数が減る組子って?
  • 組子全員が全公演出演できる日は?

以上をはじめ、トークイベントが実施できないことからの影響なども考察します。

花組『はいからさんが通る』東京メンバー入れ替わりを考察

『はいからさんが通る』東京公演は前半と後半でメンバーチェンジ

花組東京宝塚劇場公演『はいからさんが通る』より、公演の前半をA日程出演者、後半をB日程出演者とし、メンバー交代のために4日間の休演日が設定されたことが発表されました。

同時期に宝塚大劇場で公演予定の月組公演『WELCOME TO TAKARAZUKA 』『ピガール狂騒曲』もA日程、B日程と出演者をグループ分けしているのにかわりはありませんが、A日程→B日程→A日程→B日程・・・とほぼ5日間ごとに出演者が交代するスケジュールを組んでいます。

・・・が、花組『はいからさんが通る』は前半A日程、後半B日程。

  • どうして大劇場のようにA日程、B日程が交互に組まれないのか?
  • これからも東京公演はメンバーチェンジの体制が続くのか

 

『はいからさんが通る』東京公演日程から、すみれ子なりに理由を考えてみると・・・

 

 

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花組『はいからさんが通る』東京公演出演者が前半、後半で分かれる理由

コロナ感染拡大防止のために「三密をさける」ことが重要だと言われています。

「密閉」「密集」「密接」ですね。

これまでに宝塚歌劇団は公演再開までに検討を重ね、再開にむけての努力をされていたことは、公式サイトでの発表や各種メディアの報道からもわかることです。

どうしても避けようのない舞台上の「蜜」も舞台上の出演者の人数を減らす、演出を変更するという方法でできうる限り対策をとってこられましたね。

宝塚で出演者数をはじめて減らしたのは星組『眩耀の谷』『Ray』東京公演からでした。

理由は「東京宝塚劇場は楽屋が狭くて出演者が蜜になりやすいから」

ファンが目にすることはない楽屋ですが、ここが蜜になり、万が一の時に生徒さんやスタッフのみなさんに感染が拡大しないように考えられたわけです。

では、東京ではなぜ数日ごとの出演者交代ではなく、前半組と後半組にわけたのでしょうか?

以下はすみれ子の憶測ですが、東京公演中に生徒さんが宿泊している「寮」が蜜になることを避けたためでしょう。

大学の寮など「寮」でクラスターが発生したことをうけての対策のひとつかもしれません。

もし、数日ごとの交代で出演するスケジュールの場合は、ほとんどの生徒さんが寮を利用することを考えると寮は蜜な状態になってしまいますね。

しかし、前半と後半に分けることで寮の利用者が減り、前半組はスケジュールが終われば宝塚へ帰宅。入れ替わりで後半組が東京へ来て寮を利用できることになります。

しばらく舞台から遠ざかっていた(劇団での稽古終了以降)から、公演中に4日間の稽古期間をもうけて、みっちり稽古も再度おこなうことになったと想像できます。

 

2000年前半頃までは「東京すみれ会館」という東京公演出演中の生徒さんが利用できる寮があり、宝塚にある「すみれ寮」と共にファンにもよく知られていましたが、現在は都内のとある場所を寮の代わりに使っているそうです。
(時代が時代ですからね、場所の特定はやめましょう ^^;)

 

 

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コロナ渦は新人公演だけじゃない、若手育成の場が減る杞憂

新人公演なし+本公演出演が減る下級生

「新人公演の実施みあわせ」だけでも新人公演学年内(研7以下)の生徒さんは、心を痛めていらっしゃると思います。

特に『はいからさんが通る』でラストチャンスで主演を射止めた100期生の一之瀬航季(いちのせこうき)さんは、本番直前で公演が中止になり悔しく、悲しい思いをされたことでしょう。

もちろんヒロインが決まっていた美羽 愛(みはねあい)さんをはじめ、ほかの生徒さんも「新人公演」という一つの目標を失い、どうしていらっしゃるかなぁ・・・とファンが考えたところでしかたのないことを考えてしまいます。

そのうえ出演者の数を減らした状況をよく見ると・・・

本公演はスターさんはもちろん上級生で役のある生徒さんは全公演出演されますが、A、Bにわけられたのはほぼ研5以下の下級生。

下級生は稽古だけではなくリアルに舞台に立つことで経験をかさねていくはずなのに、その機会が大幅に減ってしまうのです。

 

 

 

『はいからさんが通る』グループ分け出演の下級生たち

A日程、B日程のみに出演する下級生をまとめました。

A,Bともに102期生以下ですが、すでに新人公演ヒロイン経験のある都姫ここ(みやひめここ)さん、『はいからさん』でヒロイン予定だった美羽愛さんが含まれているのは、気になるところです。

 

A日程出演者 B日程出演者
侑輝 大弥 102期 鈴美梛 なつ紀 102期
桜月 のあ 102期 太凰 旬 102期
南音 あきら 102期 涼葉 まれ 103期
詩希 すみれ 103期 朝葉 ことの 103期
海叶 あさひ 103期 颯美 汐紗 103期
琴美 くらら 103期 二葉 ゆゆ 103期
天城 れいん 104期 珀斗 星来 104期
都姫 ここ 104期(※) 愛蘭 みこ 104期
美羽 愛 104期(※) 美里 玲菜 104期
青騎 司 104期 礼哉 りおん 104期
夏希 真斗 105期 美空 真瑠 105期
星空 美咲 105期 稀奈 ゆい 105期
初音 夢 105期 湖華 詩 105期
伶愛輝 みら 105期 花翔 ひかり 105期

(※)都姫 ここ(みやひめここ)さんは2019年8〜11月『A Fairy Tale-青い薔薇の精-』新人公演ヒロイン、美羽 愛さんは『はいからさんが通る』新人公演ヒロイン予定でした。

 

では、全日程本公演に出演するのは101期生以上なのかといえば、103期生の希波らいと(きなみらいと)さんは全日程出演組。

希波らいとさんは『はいからさん』本公演でも関東すみれ組に属する「野路」という役を演じているから外せなかったというのが、全日程出演の理由かとは思いますが、2019年「花より男子」(赤坂ACTシアター公演)でF4の一員に抜擢されたり、将来のスター候補生の一人だから?

いろいろな想像ができます。

 

 

 

 

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トークイベント&お茶会やお茶飲み会の中止も育成の点で影響あり?

公式サイトでは宝塚友の会向けの「ステージトーク」「トークスペシャル」なども当面の間開催をみあわせる旨、発表されています。

そして公のものではありませんが、昔からFC(私設ファンクラブ)主催でファンミーティング的におこなわれている「お茶会」「お茶飲み会」といったものも今は実施されていません。

そんなことは舞台に関係はないじゃない?ですが、これらは大勢の人の前に立って「いつも観劇していくれる人達に、作品について、自分の役について話をする」勉強の機会となっています。(少なくともすみれ子はそう思ってます)

一般的な社会人に置き換えると、人前でプレゼンをするチャンスみたいなものですね。

下級生時代から「人前で話す」ことになれておくことは、いつか新人公演をはじめ別箱公演でのご挨拶などもできる力を養っていけるでは?

そんな意味では人前で話す機会がなくなることも、若手の生徒さんの今後の課題となると思います。

 

 

 

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東京公演は今後どうなる?全員が全日程出演できる日は?

当たり前のように組子全員が全日程に出演できることが一番うれしいことなのですが、今回発表された東京公演のように前半組、後半組にわかれた日程は、その生徒さんを応援するファンにとってもたいへんですね。

前半、あるいは後半が自分のスケジュールとあえばいいのだけどな、という問題が出てくるし、リピートで観劇するレベルで応援していたら、前半だけ、あるいは後半だけ集中的に観劇に行くモードになってしまいます。

とはいえ、今後どうなるかといえば、当面は今回発表された花組さんと同様のスタイルで上演される可能性は大きいですね。

そして全員が全日程に出演できる日はといえば、まだまだ先になるとすみれ子は考えています。

 

先般、コンサート、演劇などの観客が声を出さないイベントでの収容人数を10月1日から緩和できることが政府から発表されています。

当然、宝塚は基本的に観客が声を出さないので、この条件にあてはまりますが、それは客席側のこと。

今、前後左右1席ずつあけての客席販売になっていますが、これは次第に緩和されて客席の収容数は増やされる可能性は大。

でも、出演者や舞台のスタッフさんの感染防止策としては、舞台や楽屋などの蜜を考えると、全員全日程出演はコロナ収束後まで待つ必要があるかもしれません。(・・・って、これは政府の方針に従って劇団が決めることなので、あくまで私的な憶測ですが)

ファンは観劇に行けないことが辛くても、ライブビューはあるし、昔の映像をひっぱり出して観たり、タカラヅカ・スカイ・ステージだってあります。

でも生徒さんたちは、やっと公演が順調にうごきはじめても新人公演なしで本公演は人数制限って、まだひよっこの研2、研3の生徒さんなど「わけがわからない」状態かもしれません。

106期生の初舞台もようやくメドがたちましたが、若手生徒さんたちに多くの課題が残る、コロナ渦の宝塚歌劇団といえます。

この記事では東京宝塚劇場『はいからさんが通る』の前、後半に分けた出演者と公演スケジュールから、コロナ渦の宝塚の下級生がかかえる問題点をさぐってみました。

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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