月組『夢現無双/クルンテープ 天使の都』観劇感想レポと美弥るりか

月組

 

『夢現無双』の芝居の展開に、頭をフルに使ったのでショーは楽しむんだ!と思って、タイ(バンコク)をテーマにしたショーの世界へ!

タイトルの『クルンテープ』って何?ですね。

タイの首都バンコク。

しかしバンコクという呼び名は略式で、本当はながーーーーい名前なので略して「バンコク」という名前が広がったそうです。

 

クルンテープ・マハーナコーン・アモーンラッタナコーシン・マヒンタラーユッタヤー・マハーディロック・ポップ・ノッパラット・ラーチャタニーブリーロム・ウドムラーチャニウェートマハーサターン・アモーンピマーン・アワターンサティット・サッカタッティヤウィサヌカムプラシット

(日本語訳:天使の都 雄大な都城 帝釈天の不壊の宝玉 帝釈天の戦争なき平和な都 偉大にして最高の土地 九種の宝玉の如き心楽しき都 数々の大王宮に富み 神が権化して住みたもう 帝釈天が建築神ヴィシュカルマをして造り終えられし都)

(出典:宝塚歌劇団公式サイト)

 

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上記のように、そのながーーーーーい名前の最初に「クルンテープ(天使の都)」という言葉があるそうです。

・・・ってそれを題材にして「バンコク」をテーマにしてしまうとは、作・演出の藤井先生はさすがに博学です。

 

 

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『クルンテープ』の作品としての魅力

 

『クルンテープ』はタイという国に持っていたイメージがそのまま舞台に再現されていました。

  • 仏教の国
  • 微笑みの国(本当にタイの人は優しく微笑みますね)
  • エメラルド色の仏陀
  • (ひょっとしてLGBTを表現?)

そして珠城りょうさん&美園さくらさんという新トップコンビを頂点に、月組の魅力満載。

退団する二番手スター・美弥るりかさんへの餞別的な愛情もあり。

三番手・月城かなとさん、暁千星さんももちろんスター度アップしてキラリーン。

風間柚乃(かざまゆの)さんのソロ

輝月ゆうま(きづき ゆうま)さんのびっくり!!再来

客席降りもあって楽しめるショーになっています。

 

ショーは定番的に

  • オープニング
  • 中詰
  • フィナーレ

以上がめりはりよく、構成がしっかりしているのも藤井先生の作品だと思いました。

 

ここからは印象的だったシーンについての感想をお届けしますね。

 

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『クルンテープ』客席降りもオープニング

金色の宮殿を背景にして、新しい王(珠城りょう)が誕生し、美園さくらさんとの婚礼。

ここは豪華絢爛でまさに宝塚のショーに酔って一気に客席がハイテンションになったところへ、客席降り。

すみれ子は二階前方席での観劇でしたので、生徒さんが側まで来てくださる恩恵はありませんでしたが(苦笑)、本舞台と客席の前方が見渡せるおかげで、劇場全体を彩る構成が美しくて絵画の感覚で楽しむことができました。

 

また、ムエンタイといわれるタイ発祥のスポーツが取り入れられた場面。

月城かなとさんと暁千星さんが恋人の声援を受けて、ちょっといいカッコして戦うのですが、これが可笑しくて。

でも、この取り入れ方が新鮮でした。

美園さくらさんがK-ポップ超の曲を男役を引き連れ、アイドルっぽく歌うのも見逃せません。

続いて、風間柚乃さんが一場面もらったんだね?と、成長著しく感じる場面から、珠城りょうさんと美弥るりかさんという異色のカップル(?)が素足で怪しく踊るシーンへ。

このコンビのダンスはちょっと官能的であり、あれっ?と思ったのはタイといえばLGBTに対して寛容な国と言われているので、そういう表現であったのかもしれません。

(意図はわからないですけどね・・・)

宝塚では男と男の友情をテーマにすることもあるので、正解かどうかはわかりませんが、どちらにせよあくまで美しいダンスには惚れ惚れとしました。

 

↓↓5.  『クルンテープ』の魅力の続き

コメント

  1. おとぼけ男爵 より:

    すみれ子さん、こんにちは。
    CASANOVAで良質なオリジナル作品に感動した私ですが、月組公演では演出が好みではなく、ちょっとがっかりしました。
    月組公演は3度観る機会に恵まれたのですが、夢現無双は何度見ても好きになれない作品でした。
    エピソードが散らかっていて集中できず、結局のところ小次郎の美しさと存在感、太夫と光悦の好演、武蔵の殺陣の迫力が印象に残っただけ。
    残念ながら剣の道を極めんとする男の成長物語を作品から感じ取ることはできませんでした。作品の脚本と演出が残念だったなあと感じています。
    でも、演者のパワーは観るたびに増していて、そこはさすがタカラジェンヌ、こんなに力のある方々なのにもったいない!と切に感じます。
    藤井先生のショーは基本好きなのですが、私は今回はこちらも今一つという感想でした。
    僧の衣装、当初は本物の僧侶が身に着けるような黄色い衣装だったのが、途中でエメラルドグリーンの衣装に変更されていました。
    本当の理由はわかりませんが、戒律の厳しい僧侶の衣装ですから何らかのクレームが入ったのではないかと推測できます。もちろん、単に地味だという理由かもしれませんけれど。
    製作上の勉強不足や準備不足が、曲や衣装の変更につながったのだとしたら演出家の責任は大きいのではないでしょうか。
    でも、みやちゃんとたまきちのダンスにはぐっときたし、みやちゃんの黒燕尾には、号泣してしまいました。(良い演出でした)
    ショーはもともと楽しいものなので、お芝居程がっかりしませんでしたが、やはり文句なしに楽しめる素敵な作品が見たいなあと思います。
    でも、なんだかんだ言っていても公演を観るのは本当に好きですし、最近は、女性演出家の質の良い作品が目に付くので、期待の方が大きいです。
    人それぞれだと思いますがすみれ子さんの感想レポには同意できる部分が多く、読ませていただくのを楽しみにしています。

    • すみれ子 より:

      おとぼけ男爵さん

      ご訪問とコメントをありがとうございました。
      私も正直なところ、斉藤先生の作・演出で「宮本武蔵」がどうなる?と期待が大きかった分・・・うーーん、ちょっと(汗)な印象が残りました。
      もう少しエピソードをすっきりさせることはできなかったのか?
      通した段階で時間オーバーで大幅なカットが入ったのか?
      生徒さん達が熱演されているだけに残念な思いはあります。

      ショーは衣装にも変更があったのですね。
      エメラルドグリーンの衣装は記憶違いかと思いましたが、情報をいただいて安心しました。
      105周年、星組、(特に)花組と「やってくれるじゃない、宝塚」と作品の質の高さとそれぞれの組カラーの素晴らしさを感じていただけに、今回の月組公演はなんだか物足りなさを若干感じています。

      理事長はあらゆる場で昨今の宝塚大劇場の稼働率を「100%超え」とおっしゃっています。
      でも生徒の力量頼み、一定の宝塚ファン頼みじゃなく、やっぱり作品の質の高さは大きく稼働率にもかかわってくるはず。
      新しい作・演出家の成長はファンとして楽しみですが、大御所的先生方にも感性を磨いてファンの心をゆさぶる作品作ってほしいですね。

      千秋楽まであと数公演、みやちゃんには大劇場の空間を思いっきり楽しんで卒業していただきたいと祈っています。

      拙いレポに共感・・・感謝です、ありがとうございました。

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